出産・育児がひと段落して復職を考えている場合は色々と不安がありますよね。
特に転職の形でイチからのスタートになるママ薬剤師の不安は尽きないと思います。
「子育てに理解のある職場がいい」「子供のために急な休みが取れる職場を選びたい」「家庭と仕事を両立したい」と職場に求める願望であったり「勉強はどうすればいいの?」と考えるママ薬剤師が大半ではないでしょうか。
そこで今回は現場に復帰するママ薬剤師が選ぶべきでない職場、逆にママ薬剤師が現場復帰に選ぶべき職場、またどうやって勉強を始めればいいのかと言う点について紹介したいと思います。
現場復帰が不安なママ薬剤師はぜひ参考にしてみてください。
目次
ブランクのあるママ薬剤師が注意すべき薬剤師求人情報
ママ薬剤師が現場に復職する際に最も重要視すべきことは仕事と家庭の両立ではないでしょうか。
しかし一般的な「薬剤師求人情報」と「あなたが本当に求める仕事環境」は理想と現実が異なる場合があります。
ではここからはママ薬剤師が現場復帰する際に間違いがちな職場選びを紹介します。
働く場所(立地)よりも時給を重要する
ママ薬剤師が復職する際に真っ先に募集要項で見るのが「時給」と「勤務地」ではないでしょうか。
当然勤務地が近くで時給が高い職場に越したことはありませんよね。かたや勤務地が少し遠くて時給が高い場合などもあったりして悩ましい求人も時にはあるでしょう。
ただそんな時には勤務地を重視することをおすすめします。
と言うのも「自宅」「職場」「子供を預ける場所」「買い物する場所」の4つがそれぞれ離れている所に立地してあると移動時間だけで相当な時間をロスしてしまいます。
もし仮に職場だけが距離が離れており往復1時間かかってしまうとそれだけで時給2000円ならば2000円分のロスになります。もし往復1時間かかり4時間勤務で時給2500円ならば5時間で10000円です。時給2000円で5時間働くのと同じになってしまいます。
研修がある職場を選ぶ必要はない
薬剤師の求人を見ているとブランクの方のための研修制度を設けている所があります。
復職に不安を覚えるママ薬剤師ならばできれば活用したいと考えるかもしれませんがその必要はありません。
理由としてはまず研修がある職場を探す事によって選択肢が狭まってきますし、研修と言っても現場で求められる知識はそれぞれ異なります。また薬学部の実習の様に指導者がマンツーマンで指導してくれるようなものではありません。簡単な講義やテキストでの学習が大半になります。
そして「出産・育児で休んでいる間に診療報酬も変わって知識が古くなっている」と不安になる方もいるかもしれませんが、こちらに関しては薬剤師転職サイトがママ薬剤師のために必要な知識をフォローしてくれるテキストなどを無料配布してくれていますので自主学習も可能です。転職サイト利用時に併せてもらいましょう。
「ママ薬剤師に優しい求人」を鵜呑みにしない
ママ薬剤師の場合には「急な休みでも受け入れてくれる」「育児に理解がある職場を探すべき」とよく言われます。
そして実際にママ薬剤師に優しい職場ですと言ってアピールしたりブランク・未経験可とする求人もあります。
ただそういった募集している薬局がママ薬剤師の復職に適しているか否かはあまり関係ありません。
なぜならそれらの募集要項の文を書いているのは現場の薬剤師ではない事が大半だからです。
いくらブランク可としていても、現場の薬剤師の1人があなたが急に休みを貰う事に毎回小言を言ってくる可能性も当然あるわけで、募集要項だけのママ薬剤師優遇求人には気を付ける必要があります。
ブランクのあるママ薬剤師が現場復帰の際に選ぶべき転職先
では今度はママ薬剤師はどの様な職場に復職すべきなのかについて紹介していきます。
処方箋枚数が少なく在籍薬剤師が多い職場を探す
ママ薬剤師の現場復帰に適している職場は「処方箋枚数が少なく薬剤師が多く在籍している職場」を探しましょう。
理由は言うまでもありませんが「処方箋枚数が多く薬剤師が少ない職場」ではもれなく忙しく時間通りに帰れなかったり、仕事で体力を消耗してしまうことになってしまうからです。これでは家庭と仕事の両立は難しくなってしまいます。
ではどうやって処方箋枚数が少なく薬剤師が多く在籍している職場を探すのかと言う事ですが、こちらは処方箋枚数をあらかじめ記載している薬剤師求人サイト(薬キャリ)などがありますので利用しましょう。薬剤師数は記載していない場合もありますので、もし薬剤師数まで把握したい場合は転職サイトに登録すればより具体的な情報(常勤・残業・主な処方内容など)も教えてくれます。
ここで注意が必要なのが求人サイトに載っている薬剤師数が「現場の薬剤師数」ではなく「登録している薬剤師数」を記載している場合があります。いざ働いてみると薬剤師数が4~5人と書いてあったのに、実際はたった2人だったというケースも実際にありますので要注意です。
託児所がある職場
ママ薬剤師に理解がある職場の条件を客観的に示すのは難しいですが、理解がある職場の可能性が高い職場として同じ様に働いているママがいる職場になります。
例えば具体的に託児所があると言うのはママ薬剤師が働きやすい職場の目安の1つになります。
託児所がある職場は基本的には病院などの医療機関が多いですが、調剤薬局やドラッグストアにも完備してある所もあります。
「病院薬剤師はハードルが高い」と思う人は慢性期を主に扱う病院がおすすめです。ただし病床数はしっかり確認するようにしましょう。こちらは病院のホームページなどでの確認が可能です。
パートでなく正社員の募集しかない時の対処法
薬剤師の求人ではパートでの募集はなく正社員としての募集の所も少なくありません。
せっかく条件が良さそうな求人があったのにパートとして働けないとなると、最悪正社員としての働き方も考えないといけないと思うかもしれません。
ではこの場合はどうすれば良いのかと言いますと話は簡単で交渉すればいいんです。つまり時短勤務のパートして雇ってくれないかと交渉するんです。
もちろん企業側としても正社員薬剤師が入って欲しい気持ちもあるでしょう。しかし薬剤師を募集している職場は当たり前ですが薬剤師が不足しています。
おまけに薬剤師不足のこのご時世、いつ薬剤師が入ってくれるのかも分かりません。そこでもしパートとしても入ってくれる薬剤師がいるならば条件をあなたに合わせてくれる可能性も少なくありません。
ですからもし条件の良さそうな求人があるけれど、それが正社員での募集しかない場合には一度パートとして働かせてもらえないかの交渉を行ってみましょう。
ママ薬剤師のブランク解消の勉強は効率を重視する
いざ現場に復帰してもブランクがあるため薬剤師として働けるか不安と考えるママ薬剤師も多いと思いますが、ここではおすすめの勉強法を紹介します。
参考書や書籍はまずは必要な所だけ
「どんな処方にも対応できるために全部の疾患の薬を覚えないといけない」と考えるのは素晴らしいことです。
しかし初めからすべてを身に付けようと思ってはいけません。
具体的な例を挙げればテキストや購入した書籍を見直す場合には頭から読み進めてはいけません。
あなたの現場に必要な部分だけをまずは重点的に勉強しましょう。
スキマ時間を見つけて毎日5分でも勉強する
ママ薬剤師はきっちり時間を取って机に向かって勉強する時間の確保が難しいです。
ですからママ薬剤師が確保すべき勉強時間はスキマ時間を有効活用しましょう。
合間の時間に書籍を読むでもいいですし、スマホで勉強しても構いません。
そしてスキマ時間を有効活用するコツとしては「スキマ時間でできる範囲」を勉強することです。
例えば糖尿病の薬と飲み合わせについて勉強しようと考えた時に1から10までをあれこれ調べながら学ぼうと考えるのではなく、スキマ時間でできる範囲を決めて勉強をする方法です。簡単に言えば1時間かかる勉強をスキマ時間に充ててはいけません。
広い範囲で学ぼうと考えるとそれが消化不良になった時に中途半端になってしまい、何より持続が難しくなってしまいます。ですからママ薬剤師はスキマ時間できる確実な範囲をコツコツ積み上げる方法がおすすめです。
薬の配置をなるべく早い段階で覚える
あなたが働き始めたらなるべく早い段階で薬の配置を覚える様にしましょう。
なぜかと言うと、おそらくあなたが最初に任される薬剤師としての仕事は調剤業務になります。中でも絶対に任されるのがピッキングです。
しかしこのピッキングが遅いと周りの薬剤師から反感を買う可能性も高まりますし、逆に調剤が早く終わるのであればあなたの評価も高まります。そして余裕も生まれるでしょう。
薬剤師のスキルを数値化するのは難しいですが調剤の正確さやスピードは最も簡単に目に見える評価になりますのでまずは薬の配置から早く覚えることを心がけましょう。
分からない事に時間をかけ過ぎない
分からない事に対して必要に時間を費やして考えたり、結局結論がでないような時は同じ薬剤師に質問してみましょう。特に加算などに関して分からないことは自分で調べるよりも先輩薬剤師に聞くことは遥かに効率がいいです。
もちろん簡単な疑問は自分で調べるべきですが、職場の薬剤師に質問することでコミュニケーションの1つにもなりますので分からないことは相談する選択もおこなってみてください。
ブランクがあるママ薬剤師の復帰に不安があるのは当然
ママ薬剤師が現場復帰の際に勉強に関してだったり、無事に復職できるのかと不安になるのは当然のことです。
なにせ現場を1年以上離れることになりますし、実習生とは違って責任もあなた自身に降りかかってきます。
ですからママ薬剤師が現場復帰するのが不安なのは仕方がないことですが、一番大切なことは家庭と仕事のバランスをとるために無理はしないということです。
そもそも家庭と仕事のバランスをとるのはかなり難しいです。なぜかと言えばあなたの頑張りだけでどうにもならない要素が大きいからです。特に仕事は自分の頑張りでどうにかできると思ったら大間違いです。仕事こそあなたの頑張りだけではどうにもできません。
しかしあなたが実習生と違うのはいつでもやめることができるということ。
特に職場がハズレだった時は適当な理由を付けて一刻も早くやめるべきです。家庭で疲れておまけに理不尽な仕事で疲弊してしまっては精神的なストレスは相当なものになるでしょう。
ですからそれらのリスクを最小限に回避するために今回紹介した仕事の選び方を参考にしてみてください。