コラム

薬剤師と歯科医師を徹底比較!【年収・難易度・将来性】

 

今回は似ているようで似ていない、比べられそうであまり比べられない薬剤師と歯科医師を比べてみたいと思います。

薬剤師・歯科医師になるまでの難易度や学費、そして給料や将来性なども見ていきたいと思います。

 

薬剤師・歯科医師になるまでの比較

ではまずは薬剤師・歯科医師になるまでの比較を行いたいと思います。ここでは

薬学部・歯学部に入学する際の難易度

薬剤師国家試験・歯学部国家試験の難易度

薬学部・歯学部の数

6年間でかかる費用

を見ていきたいと思います。

 

薬学部に入るのと歯学部に入るのはどちらが難しいのか

薬学部と歯学部に入学するためのハードルは薬学部の方が高いです。

国公立大学の歯学部で最も偏差値が高いのは東京医科歯科大学の66になります。一方の国公立大学の薬学部は東京大学を除いて最も偏差値が高いのが京都大学の69になります。

そして国公立大学で最も偏差値が低い歯学部は62で九州歯科大学、鹿児島大学、長崎大学などが該当します。薬学部で最も偏差値が低いのは64の長崎大学となります。

 

偏差値の参考は東進ハイスクールを参考にしています。細かな偏差値の違いは公表している予備校の数値によって異なりますが、いずれの予備校が公表している偏差値においても国公立大学の薬学部と歯学部を比較した時に薬学部の方が偏差値は高めとなっています。

参考:東進の大学入試偏差値ランキング

 

では私立学部ですが、まず薬学部に関しては上を見れば偏差値60を超える大学も複数ありますが、はっきり言って「大学があり過ぎて上は偏差値65以上、下はボーダーフリー。偏差値はピンキリ」となっています。

 

そして歯学部は高偏差値の私立大がなく最も高くて60に届かない偏差値の東京歯科大学や昭和大学になりますが偏差値40代の大学が全17大学の半数以上ある現状です。

 

つまりこの現状を見る限りは私立大ならば薬学部も歯学部も入るだけなら簡単。中堅私立以下の大学であればはっきり言って薬学部も歯学部も入ること自体は決して難しくありません

 

薬剤師国家試験と歯学部国家試験の難易度について

直近の国家試験の合格率を見ると

歯科医師国家試験合格率は63.7%、新卒合格率は79.4%

薬剤師国家試験合格率は70.91%、新卒合格率は85.5%

となっています。

これだけ見ると歯科医師国家試験の方が難しいと言えそうです。

 

ただ薬学部も歯学部も「留年・卒留のコンボ」でそもそも国家試験の受験自体が調整されていますので、この合格率だけを見て一概にどちらの方が難易度がどうこう言うのは正しくありません。

 

あえて比較するならば同じくらいの偏差値の国公立大学の合格率の比較です。

相対的に国公立大学では入学して国家試験をストレートに受験できる人が多く、入学時の学力に差がないことを比較するのはベストではありませんがベターになります。

では具体的に大学入学時の偏差値が同じくらいの熊本大学薬学部と岡山大学歯学部の合格率をみてみましょう。

熊本大学薬学部新卒者合格率91.84%

岡山大学歯学部新卒者合格率91.1%

これだとちょうど同じくらいの合格率になりますね。

ちなみに全ての国立大学の合格率の平均は薬学部が94.13%、歯学部は88.4%となっています。

 

という事で正確な難易度の比較は当然ながらできませんが、大体同じ程度の難易度ではないでしょうか。

参考:第104回薬剤師国家試験大学別合格状況

参考:第112回 歯科医師国家試験 学校別合格者状況

 

薬学部と歯学部の大学の数

薬学部と歯学部がある大学の数は以下の通りです。

歯学部:29校

薬学部:75校

 

現在だけを見ると薬学部が多く歯学部は少なく思えますが、それぞれの歴史を簡単に紹介します。

 

まず歯学部ですがこちらは1960年(昭和35年)当時、大学はたった7校しかなく入学定員数は合計で740名。しかし歯科医師不足が問題視され、1961年から18年間の間22校が設立されました。定員も3360人まで増加しました。

しかし1982年になると一転して歯科医師過剰が懸念されはじめ、削減に向けた閣議決定がなされました。その結果2018年には定員が2481名となり徐々に削減されています。

 

一方の薬学部ですが、こちらは4年制から6年制に移行した歴史により大学の数が大きく変動しました。

そもそも薬学部は2006年度より6年制過程が導入されました。それまでは薬学部の入学定員数も8000人程度で推移していましが、6年制過程導入に伴って以後28校の薬学部が新設され薬学部は現在75校。定員は12835人にも上ります。

最近では薬学部においても定員削減が行わてもいますが2021年度以降も開設が予定されている大学もあります。「減らす歯学部」と「増え続ける薬学部」と、対照的な2つの学部となっています。

参考:歯科大学・国立大学歯学部増設の歴史

参考:薬科大学の数と入学定員・入学者数の推移より

 

薬剤師と歯科医師になるまでにかかる費用

国公立大学に進むとすれば共に6年間で350万円程度で済みますが、もし私立薬学部・私立歯学部に行くとすると卒業するまでにいくら位の学費が必要になるのでしょうか。目安としては以下の通りです。

薬学部は6年間で約1200万円

歯学部は6年間で2000~3000万円

となっています。

 

歯学部は薬学部の約2倍の学費が必要になってきます。

そして歯学部と薬学部の学費の面で大きく異なるのは歯学部は私立大学の中でも1000万円以上差がある大学があるということです。

薬学部も特待生制度等を設けて学費が国公立大学と変わらない程度の学費で済む私立大学もありますが、もともとの学費自体で私立大学内でも1.5倍も学費が異なるのは歯学部の大きな特徴ではないでしょうか。

 

薬剤師と歯科医師のお金事情について

では次は薬剤師と歯科医師の給料事情について見ていきたいと思います。

ここでは主にサラリーマン・経営者の立場でそれぞれ見ていきます。

 

サラリーマンは薬剤師と歯科医師はどっちが給料が良い?

薬剤師と歯科医師の給料はどちらの方が高いのかと言いますと歯科医師の方が高いです

平成30年賃金構造基本統計調査によると10人以上が勤務する企業の年収は以下の通りです。

歯科医師の年収:約850万円

薬剤師の年収:544万円

圧倒的に歯科医師の方が高いです。

参考:賃金構造基本統計調査

 

そして薬剤師と歯科医師の大きな違いの1つに歯科医師は給料を日給換算で行っている求人がそこそこ多いという事です。

どういう事かと言いますと薬剤師ならば年収○○万円と言った形が普通ですが、これが歯科医師ならば「研修医明けの歯科医師医ならば日給2万円、2年目は日給2.5万円」と言った塩梅で換算されている所があるという事です。

薬剤師と歯科医師の比較

↑の様な感じです

 

これが日給換算が多い歯科医師医との一番の違いと言えるでしょう。

また時給で募集している歯科医師医もありますが、時給は3000円以上はけっこう当たり前。薬剤師ではそこまで当たり前とは言えない時給4000円以上の求人も圧倒的に歯科医師の方が多いです。

つまり給料に関しては薬剤師よりも歯科医師医の方が優遇されていると考えて良いと思います。

ただ歯科医師の場合は歯科医院が過剰なところだと需要と供給のバランスが崩れ、年収200~300万円台の給料の所もあります。薬剤師も病院勤務だと給料が安く200万円台の所もあるため、下を見れば大体似た様な感じでしょう。

 

もちろん薬剤師もやり様によっては十分の年収を得る事も可能です。

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開業するなら薬剤師と歯科医師はどっちが儲かる?

開業した場合のそれぞれの年収ですがこちらはピンキリになりますがおおよそ両者とも1000~2000万円の年収に落ち着きます。

 

ただ独立開業のリスクとリターンを考えると5000万円程度かかる歯科医師医と比べて調剤薬局の開業資金は1000~2000万円と言われており、開業のハードルは歯科医院がかなり高いです。

 

稼げる金額が同じならば調剤薬局の方がリスクは少ないとも言えそうですが、調剤薬局の場合は近くの医療機関に経営を大きく左右されますので一概にどちらの方がリスクが低いとは言い難いです。

 

ただ歯科医師の場合は個人の医師のスキルがその看板ともいえますので、調剤薬局の様に複数店舗を構えるケースは少なく、もし上を見るならば一部上場企業すらある調剤薬局の方が上を目指せる可能性はあります。

しかし保険に頼らない道を開拓している歯科と比べて薬局は未だに保険依存になりますので、これからの時代は調剤薬局もかなり厳しい時代になってきます。

ちなみに歯科医師は約57%、調剤薬局は5.7%が開設者又は法人の代表とされています。つまり歯科医師の2人1人が独立しています。

 

薬剤師と歯科医師の統計的な比較

ではここからは客観的な薬剤師と歯科医師に関係するデータを紹介していきます。

 

薬剤師と歯科医師の人数

歯科医師:10.5万人

薬剤師:30.1万人

 

毎年輩出している人数が違うため薬剤師の方が3倍ほど世の中には多く存在しています。

ただ注目すべきはこの数字ではなく歴史です。

歯科医師は主に「病院勤務」ではなく「診療所勤務」となりますが、1982年には約5万人だった診療所勤務の歯科医師は2016年には約9万人まで増加しています。

 

かなり増えた印象ですが薬剤師、特に薬局は比べ物になりません。

1982年には薬局は4万人となっていましたが、2016年には17.2万人まで増えています

 

これはつまりこれはここ30~40年で歯科医師は約2倍、薬剤師は3倍以上に増えているということです。またこれにはドラッグストア勤務は含まれていませんから、歯科医師と比べても薬剤師の数はかなり増えています。

 

そしてそれが顕著なのは2006年ごろから。薬学部が乱立し始めた時代と重なり薬剤師の輩出数も増えてきているんですね。

そしてちょうどその年に歯科は「歯科医師の養成数の削減等に関する確認書」を取り交わし定員削減と歯科医師国家試験の合格基準の引き上げが示されて、薬剤師とは逆の道を本格的に歩み始めた年になります。

 

薬局と歯科の数

調剤薬局は59138軒

歯科診療所は68940軒

参考:平成29年度衛生行政報告例の概況

参考:日本歯科医師会

 

薬局の数も相当多いですが歯科診療所の方がさらに多いです。

両者とも「コンビニより多い」と非難される事が多いですがそもそもコンビニ自体もじりじり増えており2017年度では57956軒になります。このままコンビニの数が増えて、薬局が微増にとどまると、将来的に歯科診療所までは1万軒ほど遠いですが薬局の数にはいつかは手が届きそうです。

 

薬剤師と歯科医師のダブルライセンスについて

薬剤師と歯科医師の両方の免許を持っている人に出会ったことはありませんが、かなりレアだと思います。

そもそも薬剤師は歯科医師を目指すメリットはありませんし、歯科医師も薬剤師を目指すメリットは乏しいです。

 

もし目指すとするならばいずれも医者を目指すのではないでしょうか。薬剤師の中でも薬剤師を辞めて医者になりたい人も少なくありません。

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