薬剤師の転職について

優秀な薬剤師が転職して無能扱いされる残念な3つの理由

 

薬剤師業界の中では前の職場では優秀な薬剤師として活躍していたのに、転職した途端に無能扱いされることがあります。

 

本来ならば優秀な薬剤師はどこの職場で働いても優秀であるはずなのですが、実はこれが当てはまらないケースは決して珍しいことはありません。

理由としては薬剤師の仕事は同じ様に見えても、実は必要とされる役割が大きく異なるためです。そして言わずもがな人間関係も影響してきます。

 

そこで今回は優秀な薬剤師が転職前と後で評価が180度変わってしまう理由と、それを防ぐ方法を紹介したいと思います。もしこれから転職を考えている人、そして自分は周りの薬剤師と比べても優秀だと思っている人はぜひ参考にしてみてください。

 

優秀な薬剤師が転職して無能扱いされる理由

社内のルールの中だけで優秀な薬剤師だった

薬剤師の仕事は非常にシンプルですが、そのシンプルなルールの中でいかに正しい成果を上げるのかは各々の職場で異なります

 

例えば調剤薬局の場合、企業としての売り上げを重視するならば「いかに多くの処方箋をさばくか」が最も重要になります。例えばドラッグストアの評価は「いかにPB(プライベートブランド)を売るか」が設定されているケースもあるでしょう。場合によっては水素水やサプリメントを売ることが重要視されることもあるかもしれません。

 

逆に知識がすごくあって信頼される薬剤師であったとしても、服薬指導に長い時間をかけ過ぎてしまったり、会社が売りたい薬は二の次で自分が思った薬ばかり売る事が多い薬剤師の場合、それが本当に優秀な薬剤師であるかはまた別問題になってきます。

つまり「優秀な薬剤師」と言うのはいかに社内のルールに則って、いかに最適なパフォーマンスをあげるかどうかが重要視される場合があります。となると環境が変われば評価は簡単に変わるものになるため、転職した事で無能な薬剤師とレッテルを貼られることは珍しいことではありません。

 

そもそも優秀な薬剤師でなく役に立たない薬剤師だった

優秀とされていた薬剤師が実は「そもそも役に立たない薬剤師」だった可能性も非常に高いです。

たとえばあなたは薬の知識が豊富でコミュニケーション能力も高く、患者への服薬指導では右に出るものはいないと言われるほど優秀で頼れる存在であったとしましょう。しかしその様な優秀な人が転職した職場では基本的に患者と接することはほとんどなく、主に調剤業務がメインになってしまったとしましょう。すると実はあれだけ薬の知識が豊富で頼れる存在だった薬剤師が実は調剤業務が大の苦手であることが判明。何度も何度も調剤ミスをおかしてしまいます。

仕事は調剤がメイン。必然的に新しい職場で求められる一番のスキルは「いかに正確に調剤できるか」になりますので、転職先ではあなたはまともに調剤ができないダメな薬剤師のレッテルを貼られることでしょう。

 

また、もともといた職場には誰もあなたのミスを指摘してくれる人がおらず、単に「自分は立派な薬剤師だ」と勘違いをしているケース周りがあなたを持ち上げてくれる優しい職場であった可能性もあります。

 

単純に新しい職場で嫌われている

転職してきたばかりのあなたのポジションは自動的に一番下の立場です。

するとあなたの評価はすでに働いている薬剤師が行うことになりますが、この場合は「好きな人には甘い評価」「嫌いな人には厳しい評価」を下されがちです。

 

もちろんあなたに対する評価を態度には出さない先輩薬剤師も多いと思いますが、人によっては薬剤師のスキルはさておきあなたが無能扱いされる可能性も決して低くはありません。

「同じ薬剤師に上も下もない」と主張したいかもしれませんが、序列ができるのはどの世界も同じことなので諦めましょう。そしてこんな理不尽なことはないだろうと思うかもしれませんが、薬剤師の仕事上のトラブルで最も多い理由は「職場での人間関係」であることを考えれば決して意外なことではないでしょう。

 

薬剤師が転職しても優秀と思われる方法

ではもし薬剤師が転職しても優秀と思われるにはどうすればいいのか?

ここでは大きく4つの方法を紹介します。特に一番最後のことは一番重要になってきます。

正確な知識を身に着ける

まず薬剤師にとって必須のことですが「正確な知識を身に付ける」これほど重要なことはありません。

まず薬学的な知識がない場合、他の能力がいくら優れていてもいつか化けの皮が剝がれてしまいます。もし自分が知識はないけれどコミュニケーション能力でなんとかなってきたという自覚があるのであれば、転職した先の職場で大変な苦労をしてしまうでしょう。

 

そして薬剤師に必要なことは「知識の量」ではなく「正確な知識」です。漠然とした知識は何の意味もありません。

ですから毎日たった10分でも構いませんので、意識して「正確な知識」を身に付け、そしてその正確な知識の量を増やす努力をしましょう。

 

問題解決能力を身に付ける

はっきり言って今の時代、インターネットで検索するとほとんどの情報が手に入ります。そしてそれは医療情報も例外ではありません。

つまり薬剤師の知識はその気になればネットで探しだす事は決して難しい話しではありません。
では薬剤師は不要なのか?という問題になりますが、これからの薬剤師に必要なことは「自分で問題を解決できる能力を身に付けること」になります。

薬剤師の場合、その職場によって本当に必要とされるスキルが異なります。そしてそれに順応するためには「自分で問題を解決できる能力を身に付ける」これ以上のことはありません。

「どんな職場で働いても自分の頭で考えてその最善の解決法を見つける」このスキルが備わっていれば、たとえどの職場に転職したとしても無能と思われることは絶対にありません。

そして自分の頭で考えて最適解を導き出す方法を持っていれば怖いものはありません。

 

自分の能力を発揮できる職場で働く

しかしいくらその会社にあった問題解決能力を身に付けても、いくら正確な知識を身に付けたとしても、それがあなたの薬剤師としてのモラルと反する場合おそらくあなたはやる気を失ってしまうでしょう

 

なぜならあなたの努力がそのまま純粋に評価されることはない事はおろか、むしろ周りから厄介者扱いをされる可能性もあるからです。「患者のため」「一人の薬剤師として」これらの正論が一切通用しない世界ほど辛いものはありません。

 

ですからもしあなたが自分の能力を発揮できない職場に就職してしまったのであれば、なるべく早い段階で違う職場を考えた方がいいでしょう。

そしてここでのポイントは「なるべく早く」ということです。

なぜならあなたがその環境に身を置き続けることで、あなたは知らないうちにそれが当たり前になってしまうからです。

あんなに否定的だった環境も知らず知らずのうちにあなたが溶け込んでいく事で、いつのまにかあなた自身の正解が塗り替えられてしまう事は珍しくありません。そしてこれほど恐ろしいことはありません。

 

職場の人と仲良くする

薬剤師の評価は「優秀」「無能」と判断されがちですがこれを超越する評価があります。

それは「人柄」になります。

 

人柄はあらゆる評価を底上げしてくれるドーピングの様なものになります。一方でこの人柄に問題がある場合にはいくらあなたが優秀だとしても決して「優秀」の評価をもらう事はなく、むしろ単に鼻につくヤツだと思われてしまうことでしょう。

ですから無理をしてでも職場の人と積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。そうすることで最低限悪い評価を下される可能性は格段に減ります。