調剤薬局に勤める薬剤師の人間関係のトラブルは何も薬剤師間だけとは限りません。
中には調剤事務と人間関係がこじれてしまうケースもあります。
そこで今回は薬剤師と調剤事務との人間関係問題について見て行きたいと思います。
自分は薬剤師だが調剤事務と人間関係がこじれて仕事に行くのが憂鬱な人。
「自分は薬剤師なのに」と理不尽を感じている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
調剤薬局事務にいじめられる薬剤師Pさん
【年齢】27歳
【職場】薬局
【年収】450万円
【休み】普通
【人間関係】問題アリ
【備考】女性
今年になって大手チェーンを辞めて地元の薬局へと転職をした。
仕事内容としては門前の病院の診療科が以前勤めていた職場と重なっている部分が多かったので、薬や疾患に関する知識を詰め込むのは大変ではない。
他の薬剤師も優しい人で丁寧に指導してくれるし、逆に即戦力になってくれて助かると度々言われる。そんな薬剤師間の人間関係は良好。
しかし問題は事務との人間関係だ。
事務は2人いるのだがいずれも女性。そして一人はベテランで性格もかなりきつい。特に自分に対しての風当たりは強く、些細なミスでも関係なく注意される。
ただ、それは自分がミスをするのが悪いので半ば割り切っている部分もあったのだが、どうも最近軽くいじめの様な事を受けている。
もちろん仕事中なので表立った事はされないが、離れた所でこっちを見てもう1人の事務と笑っている事などは日常茶飯事。
せっかく良い職場に転職できたと思ったのにこんな事で転職するのは納得がいかないが、本音を言えば今の薬局を辞めたい。
調剤薬局は女性が多い職場でいじめも起きやすい
薬局においてスタッフが主に女性の職場であるならば「薬剤師と事務」という隔たりは無くなり、完全にフラットな関係の職場も少なくないでしょう。
しかしそのフラットな関係と言うのがいい意味で働く事よりも現実にはマイナスの面で働く事の方が多いのが狭い薬局の職場の独特な関係性です。
言うまでもありませんが薬局は薬剤師が薬を扱わないと仕事になりません。事務が5人いようが薬剤師がいなければそれは薬局ではありません。それに薬剤師は売り手市場の職業であり簡単に代わりをみつける事は困難ですが、事務は募集をかけると多くの希望者がいる職業です。
ですからあなたも含めて多くの薬剤師は本音では「薬剤師は事務よりも偉い」と無意識に考えている場合もあります。
そしてもしあなたに対して攻撃してくる事務に対してきっとこう思っているはずです。
「なぜ事務があんなに偉そうなんだ!」と。
薬剤師が薬局事務からいじめられる原因
しかしあなたが今まさに働いている調剤薬局という現場において「薬剤師だから」「事務だから」という壁や上下関係は存在しません。
ですから、あなたが無意識のうちに作り上げていた薬剤師の価値と言うのは「外の世界」では通用するかもしれませんが、いざ仕事を始める小さな薬局という単位の世界においては全くの効力を発揮しない場合もあります。そしてそのギャップに今あなたは戸惑っているのでしょう。
「なんで事務があんなに偉そうなのか」と思う原因はあなたが心のどこかで事務を下に見ていたからと言うのが原因の1つです。
薬剤師と薬局事務の間でいじめが起きて当然
しかしあなたが憤りを感じるのも無理はありません。
事務は特別な資格は不要。言ってみれば誰がやっても良い。そんな中で薬局の責任を担って中心となる薬剤師と比べてしまうのは、人間として見下すのではなくある種の会社の上司・部下に似たものだったかもしれません。
それにあなたも初めから事務を下に見ていたわけではなく、自分に対しての態度があまりにもひどいためそう思ってしまったと言うのもあるでしょう。
ですからこの問題は薬剤師と事務間の問題ではなく1つの職場単位での人間関係のこじれだと認識してください。
薬剤師と調剤事務の人間関係がこじれる問題は「人間関係の合う合わない」です。実際に社会においては部下による上司のいじめも発生します。
これは部下の方が職場内において発言力や統率力を持ってしまっているケースが多いです。しかし薬局の場合には何よりお局様がその役割を果たしますので、転職してやってきた薬剤師はその影響を受けがちです。
薬剤師が薬局事務にいじめられて辞めたい時の解決法
人間関係の問題に調剤事務も薬剤師も区別なし
とは言うものの、こじれてしまった人間関係は修復するのが大変です。
向こうもベテランの事務なので薬局に必要とされているのはあなたも承知のはず。それに客観的に見ればどちらに非がある訳でもないので、仮に薬剤師の方を重宝したとしても事務を退職させると言うのは難しい話しです。
ではあなたはどうすれば良いのかと言いますと、先程も言った様にもはや事務も薬剤師も隔たりはないものとして考えてください。
1つの職場内での人間関係の悪化、つまり人間関係がこじれる対象が事務であろうと薬剤師であろうと同じ様に扱うわけです。
これを「事務のせいで仕事を辞めないといけないのは嫌だ」と言う気持ちのまま考えるのであれば全く前には進めません。
人が人に与えるストレスは「薬剤師だから」「事務だから」と区別できるものではありません。
客観的に見れば納得がいかないかもしれませんが、あなたは辞める選択肢も持ってください。
取りあえず相談してみる
薬局は非常に狭い職場であるため、距離を置く事など到底不可能。嫌でも関わり続ける事になります。ですから人間関係がこじれた場合はその対象が事務でも薬剤師でも関係ありません。あなたに与えるストレスは同じです。
むしろ「事務のくせに」と思うのであればあなたは今の地獄から一生抜け出せない魔法を自分にかけている事になります。
またベテラン事務はおそらく自分が辞める気などはサラサラありません。安全地帯であなたを攻撃しているだけです。
ですから我慢の限界の一歩前でその薬局の経営者に相談してみましょう。
その際には必ず「もう辞める覚悟はできている」と言った口調で話してください。そうする事であなたの深刻具合を伝える事が可能です。
あなたは薬剤師として仕事をこなしてくれる大切な人材です。
それを事務の悪質な態度のよって失うのは薬局としても大きな損失になる事でしょう。
ただしそれはあくまで経営者が判断する事です。
決してあなたが「自分に良い方に判断を下してくれる」という期待は抱かない方が吉です。そして結果に納得しない場合はキッパリ辞めましょう。
薬剤師の多くは人間関係の問題で辞めます。そしてあなたも例外ではありません。
あなたを必要とする職場は他にも山ほどありますので、安心して辞める選択も考えてください。
薬剤師が薬局事務と人間関係で悩まない職場の見つけ方
あなたは痛い程痛感していると思いますが、職場選びで重要な事は給料や休み以外に人間関係が一番重要です。そしてそれは薬剤師だけでなく事務まで含めて考慮する必要があるでしょう。
ではここからは薬局事務と人間関係で悩まない可能性が低くなる職場を紹介していきます。
●薬局事務の年齢が比較的若い
●男女比のバランスのいい職場を探す
●経営者が現場で働いている薬剤師
この3つを目安として探すようにしてみてください。
まず一番避けたい「再び薬局事務との人間関係でこじれる」事を避けるために薬局事務の年齢が比較的若い人を探してください。もちろん若いからと言って人間関係で悩まないとは限りませんがお局様の可能性はガクンと減ります。
次に男女比のバランスがいい職場です。これはつまり女性だけの職場を避けるという事です。こちらもあくまで可能性の話しになりますが、女性の比率が高い職場は派閥が生まれる可能性が高く、再び人間関係の問題に巻き込まれる可能性が上がります。
最後に「経営者が現場の薬剤師」ですが、この場合はかなりの確率で薬局事務と人間関係で悩む可能性は減ります。なぜなら薬局経営者からすれば自分の職場で起きる人間関係の問題は見て見ぬふりができない問題だからです。もしお局様がいたとしてもあなたにあからさまに攻撃をする可能性が確実に減りますので。ですからもし転職先を探す時は優先的に経営者が現場の薬剤師である職場を探しましょう。
ただここで問題があります。それは求人情報にこれらの情報は載っていないと言う事です。
求人欄には「年収」「休み」「残業時間」等の客観的な情報はいくらでも手に入りますが、一番大切な人間関係の情報は載っていません。仮に載っていたとしても「人間関係の良好な職場です」といった何の役にも立たない情報でしかありません。
ですからもしあなたが人間関係の問題を避けて転職するのであれば必ず転職サイトを利用するようにしてください。そしてその際には求人数の多い転職サイトを利用する事をおすすめします。
ではなぜ求人数を重視するのかと言いますと、これは求人数を沢山持つことで1つでも多くの「経営者が現場の薬剤師を探す」「薬局事務が比較的若い」「男女比のバランスが良い職場」を探す事に繋がるからです。
現在多くの薬剤師転職サイトがありますが、実際に転職サイトの中でも求人を多く持っているサイトとそうでないサイトがあります。すると求人を大して持ってないサイトの場合には経営者が現場の薬剤師等を探せる可能性はグンと減ってしまいます。
ですから必ず求人数の多い転職サイトを利用して二度と薬局事務と人間関係で悩まない職場を探しましょう。
そしてこの時に絶対おすすめなのが薬キャリです。
薬キャリはとにかく求人数が多く調剤薬局の求人を多く持っているため、経営者が現場の薬剤師の職場を探せる可能性が上がります。
薬剤師の転職サイトを紹介しているブログなどはトータルで無難な転職サイトばかりが紹介されており、当然ながらあなたが薬局事務との人間関係に悩んでいたとしてもそれを加味して紹介されていません。ですから本気で薬局事務との人間関係を重視して転職を考えるならば薬キャリを利用する事をおすすめします。
今回薬局事務との人間関係をメインに紹介しましたが、これは薬局事務ではなく対薬剤師との人間関係がこじれている場合にもほぼ同じことが言えます。ですからこじれ過ぎた人間関係の場合「自分が引いたら負けだ」とは思わずさっさと身を引いた方があなたのためです。