薬剤師が辞めたいパターン

ミスばかりして薬剤師を辞めたい!調剤ミスが恐怖な人の3つの対策

 

薬剤師が辞めたいと考える理由でトップに挙げられるものの1つにミスを繰り返して自信をなくしてしまう事が挙げられます。

ではミスが多くて辞めたいと考える薬剤師はどうすればいいのでしょうか。

今回は実際の例を挙げてミスを繰り返して辞めたい薬剤師の解決法を紹介していきます。

ミス・失敗ばかりで薬剤師を辞めたいと感じる人

 

【年齢】26歳
【職場】薬局
【年収】450万円
【休み】普通
【人間関係】問題なし
【備考】転職経験あり

 

薬剤師A
薬剤師A

もともと要領の良いタイプではなかったため、大学受験と薬剤師国家試験に1度ずつ失敗している。

それでもなんとか薬剤師になったのだが、社会に出てからもまた自分の要領の悪さが発揮されてしまった。

まず最初の就職先である薬局を半年経たないくらいで退職した。

理由は総合科目を扱う比較的大きな薬局であったため、自分の知識がついていかない点と調剤ミス等で先輩薬剤師から毎日叱られていた事がストレスになっていたからだ。

そしてその後は総合科目を扱っている薬局は止めようと思い単科門前の薬局に就職した。しかしこちらもやはりミスが目立ち、周りの薬剤師もあきれ顔である。

自分は薬剤師に向いていないのではないだろうか。

もう薬剤師を辞めたい。

 

薬剤師が求められる2つのスキル

薬剤師は新人の時、大きく2つのスキルを要求されます。

そのスキルは以下の2つです。

薬剤師としての知識

これは言うまでもなく薬全般に関する知識から薬物治療や疾病に関する知識はもちろん、分包機の使い方や薬歴の書き方、医薬品の取り扱いだったりと、現場で学んでいく事で積み重なる知識も含まれます。

 

あなたが薬剤師として働く上で薬剤師としての知識は必要不可欠になります。

 

調剤・監査のスキル

新人薬剤師に関してはいかに正確に早く調剤・監査を行えるかが重要視されます。

 

ただし薬剤師国家試験を受験し合格した直後の新人薬剤師の知識の差と言うのは最初の段階ではほぼフラットな状態です。

ですから先輩薬剤師などが知識の面で新人薬剤師を評価すると言うのは正直あまり現実的ではありません。

 

では新人薬剤師を評価するモノサシで最も簡単な物は何かといいますと

調剤・監査に関するスキルになってきます。

 

知識を図る明確なモノサシがないのに比べて、調剤・監査に関しては常に他の薬剤師の目に触れますからその都度正確さやスピーディーさが評価される場面が多いです。

言い換えると調剤と監査はミスが非常に目立つ所になります。

 

すると調剤・監査が苦手な人は知識もなければミスも多い。

その結果「薬剤師に自分は向いていないのではないか」と言う結論に至りがちです。

おそらくあなたも似たような負のサイクルに陥ってしまっているのではないでしょうか。

 

新人薬剤師に一番大切な事はどれだけ調剤・監査にミスをしないか。

目に見える新人薬剤師の能力チェックにはこの2つが最も良く見られている。

 

ミスばかりして薬剤師を辞めたい人への対策3つ

ミスが怖いと思う薬剤師はまず職場に慣れることが重要

薬剤師をやっていく上でミスは誰だって起こします。

人間が行うことなのでミスがない事はありえません。

ベテラン薬剤師でもミスします。ベテランでもミスばかりする薬剤師もいます。

 

問題はその頻度をいかに限りなくゼロに近づけていくか。

その最たる方法がその職場に慣れると言う事です。

 

ここで言う「慣れる」と言うのは、自分の職場の薬や専門としている科目に関して知識を十分に蓄えると言う事、間違いがちな調剤ポイントを把握すると言う点も含みます。

 

やはり慣れない所で仕事をすると毎回新たに覚える事が出てきます。

仮にある程度の知識が備わっている場合であるならば、それは新たに覚える事ではなく「知識の再確認」や「知識の照らし合わせ」レベルで落ち着きますが、知識の背景がない状態だとそのたびに知識を頭に入れ込む必要性が出てきます。

 

例えば調剤監査などは元々の薬の用量・用法が頭に入っていれば処方箋の間違いに瞬時に気付きやすくなりますが、それらの知識が備わっていないと間違いに気付くことができません。

そして間違いが起きやすいポイントに関しても、やはり長く自分が携わる事によって見える部分が多いです。

 

また、慣れる事の大きなメリットとしては緊張する事なく職場に向かえると言う点。つまりある程度リラックスした状態で仕事に望めるメンタルにしておく事もミスを減らす手段の一つになります。

新人薬剤師がミスをなくすには慣れる事が大切です。具大抵には知識の面、そして安心して仕事に向かえるという安堵感も併せて大切になります。

 

自分だけのインシデントレポートを残す

「意識を変えてもミスが減らない」と言う人は意識の変え方が間違っている可能性が高いです。

では薬剤師がミスを減らすために具体的に何を行うかと言えば自分だけのインシデントレポートを書くくせを付けることを勧めます。

 

職場によってはインシデントレポートを提出する所もあるでしょうが、はっきり言って大した意味はありません。なぜなら強制的にやらされるものほど身に付かないものはないからです。そもそもインシデントレポートなど楽しんで書く人などいませんから、嫌な記憶しか残らないでしょう。

 

ですから誰にも見せる必要がない記録を付ける必要があります。

つまり自分だけのインシデントレポートを作成しましょう。

 

自分が思った事をきれいな言葉でなくても構いません。

素直に自由に書いて問題点・改善点を把握するための自分だけのインシデントレポートを付ける事をおすすめします。そして常々それを振り返ってみてください。

実際に私は薬を棚から取ってくる時に「本来10㎎である薬を間違えて20㎎を持って来る」と言ったベタな規格間違いを数回繰り返してしまいました。

そこで自分が間違えた薬をインシデントレポートに全部記録し「どうして間違えたのか」「どうすれば次は間違えないのか」「問題の根本は何なのか」を考えて記録していました。中には「紛らわしい薬の並びが悪い」と書いたものもありましたが、それが逆に頭の中に残っている思い出があります。

そして次に対策として「同じ規格の薬は何があるのか」「規格違いの薬はどこに置かれているのか」「薬をとる前に処方箋にチェックをしたらどうか」「どの薬がよく出るか、チェックすべきか」等と言った対策も考えて実践するようにしていました。

もちろんそれでもミスを繰り返す部分もありましたが週に1回は必ずインシデントレポートを見返す事でミスも徐々に減ってきました。

 

コミュニケーションに力を注ぐ

薬剤師がミスを減らすための対策の話しをしましたが、実はこの2つ以外にも最も重要なスキルがあります。

それはコミュニケーションのスキルです。

 

学生の頃は「薬剤師はコミュニケーション能力が必要」と言われる事が多かったと思いますが、このコミュニケーションは職場内でも非常に必要とされる能力になってきます。

 

あなたが学生の時にいませんでしたか?必ず待ち合わせの時間に遅れて来るのに回りから全く批難されない人。なぜか先輩に可愛がられる人など。

 

それと同じで職場で働く同じ薬剤師も人間です。

やはり人として好き嫌いがあります。

その時に好き側に回ればあなたの立ち位置はかなり改善される事でしょう。

 

ミスを恐れてビクビクしながら仕事をして楽しいはずがありません。

もちろんミスばかりして悲壮感を漂わせたり、逆にミスしてニコニコするのも良くありませんが、人として豊かなコミュニケーションを取る事をかなり重視して仕事に望んでみましょう。

はっきり言って1年目で自分の知っている知識を振りかざしたり、効率の良さを指摘して先輩薬剤師を論破しても百害あって一利なしです。とりあえず1年間は我慢と考えて円滑なコミュニケーションを取る努力をしてみてください。この我慢する力とコミュニケーションはいずれ転職したとしても必ず役立つスキルになります。

 

ミスが多くて薬剤師を辞めたいと感じる時は一度転職してみる

そもそも調剤ミス・監査ミスは起きて当然です。

人間がやる事なのでいくら薬剤師だからと言ってミスがゼロのはずはありません。そのために薬剤師は一人ではなく複数人で確認して仕事をやるものです。

 

そして薬剤師1~2年目がミスをするのはさらに必然な事です。

もしあなたが既に辞めたい程ミスを悩んでいるのであれば、それは環境も大きな原因である可能性は低くありません。

 

ある例を挙げます。

実際に私の知り合いで、学生時代は友達も多い人だったのですがも入社してすぐに一方的に嫌われてしまい職場の雰囲気は最悪。ミスはすべて責任を負わされて、社会人になって疲弊しきってしまいました。まさに薬剤師をやめたいとまで考えていたそうです。

しかし勇気を振り絞って転職した結果、今では当たり前に薬剤師をやっています。

もともと勉強もできて要領も良い人でしたが、やはり環境はそれを凌駕するほど重要だと改めて感じた瞬間でした。

 

上での「コミュニケーション」の所では1年間は我慢してコミュニケーションを図るべきと言いましたが、中にはそんな努力が一切通用しないレベルのとんでもない薬剤師が存在するのも事実です。場合によっては薬剤師だけではなく事務や調剤助手が対象になるかもしれません。

 

その様な場合にあながた1年間我慢する必要はありません。少なくともあなたの心にまで影響が出てしまうのであればそれは我慢や努力ではなく不毛な忍耐になってしまうからです。

もし仮にそれが原因で「薬剤師が向いてなくて辞めたい」と考えるのであれば本末転倒です。薬剤師としての自信を完全になくす位ならば新たな職場でリセットする方がベスト。

それに今ならばいくらでも転職可能です。仮に1年目でも関係ありません。

 

ただ限界だから転職しようと考え、転職サイトを利用して転職しても再び失敗してしまう可能性が非常に高いです。

その理由としてはあなたはあなたを受け入れてくれる転職先に転職していないからという事が挙げられます。

 

現状、薬剤師の転職先はいくらでもあり薬剤師は売り手市場と感じるかもしれません。すると自分が働いてくれることを喜んでくれると思うかもしれませんが、いざ働いてみると現場の人間から良く思われない可能性も十分にあり得ます。

 

ですからあなたを本気で受けいれてくれる職場を探す必要がでてきます。

もし薬剤師をやめたいとまで考えている人は環境の影響が大きい可能性が高いので、こちらを参考にして自分を本当に受け入れてくれる職場を探してみてください。

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繰り返しになりますが本当に薬剤師を辞めたいと思っている人は自分のできる努力を最大限行い、それでも無理な時は必ず転職を1度は行ってください。

 

本当に向いていないのか環境が悪いのか。一度確認してから薬剤師に向いていないと考えても遅くはありません。それでも無理ならば薬剤師を改めて辞める事を考えましょう。