一般的な転職理論について

【悲報】薬剤師は地方の方が給料が高いと思っている人へ

 

薬剤師の中ではもはや常識と思われていることがあります。

それは薬剤師の給料は都会が安くて地方が高いということです。

 

確かに都市部は薬剤師の数が足りており供給過多傾向になって給料が下がり、一方で地方は薬剤師が足りずに需要が高いため給料が高くなっている事が考えられます。

 

しかしはっきり言って地方=薬剤師の給料が高い」は間違いです。

 

そこで今回は地方だからと言って薬剤師の給料が高くない理由と、どうすれば地方で間違いなく高い給料が手に入るのかについて紹介していきたいと思います。

地方の薬剤師は給料が高いは本当に間違いなのか?

給料が高い地方はどこ?

地方で稼いで早く奨学金を返したい

地方で働いてみたいけど色々不便そう

これらを考える薬剤師の人はぜひ参考にしてみてください。

 

地方の薬剤師の給料が高くない理由

では薬剤師が地方だとしても給料が高いわけではない理由を紹介していきます。

 

薬剤師の給料は地方の中でも格差が大きい

まず一口に地方と言ってもたくさんの地方があります。そして地方によっては平均年収が高い県と、地方なのに年収が低い県が存在します。

 

例えば薬剤師平均年収ワースト5を見てみると

1位:三重県
2位:宮城県
3位:石川県
4位:徳島県
5位:新潟県

となっています。

 

逆に薬剤師平均年収トップ5を見てみると

1位:奈良県
2位:静岡県
3位:青森県
4位:栃木県
5位:島根県

となっています。引用:都道府県別薬剤師年収ランキング

 

平均年収1位の奈良県の薬剤師の年収が777万円なのに対して最下位の三重県は437万円です。

奈良県と三重県は地理的にも近く両者とも地方ですが、同じ地方においても県によっては大きな年収格差が開いてしまっています。

 

つまり地方と薬剤師の給料の高さは必ずしも相関関係にはなっていません。

ちなみに東京都は順位で言えば10位(570万円)となっています。

また薬剤師平均年収トップ5の県のうち薬学部がある県は3県。そしてワーストは4県となっており、薬学部の設置によって薬剤師の年収もそこまで左右されていません。

 

病院薬剤師は地方の方が安い

薬剤師の給料は調剤薬局が高く病院薬剤師は低いと言うのが一般的な常識ですが、この傾向は令和になっても大きく変わってはいません。

そして病院薬剤師に関して言えば圧倒的に地方の方が薬剤師の給料は低いです。

 

と言うのもそもそも地方には病院やクリニックの数が都会とは大違いで、例えば薬剤師平均年収がワーストの三重県で病院薬剤師の求人を探した場合ヒットしたのは16件。かたや東京都で探した場合には423件と圧倒的な求人数です。

<病院薬剤師の求人数>
三重県:16件
東京都:423件

 

また調剤薬局は薬剤師が1人いれば点数を挙げる事ができますが、病院の場合には薬剤師が1人だけだと加算を算定するものはほとんどありません。つまり病院薬剤師は採算性に乏しいため給料をあげる事ができません。

そしてそうなると薬剤師の供給はさらに減り地方の病院は慢性的な薬剤師不足になってしまいます。

 

ですから病院薬剤師は地方の方が給料が安く都会の方が給料が高いのがもはや常態化しているんですね。

 

地方はドラッグストア自体が少ない

そもそも地方にはローカルなドラッグストアがポツンとあるだけ、大手が1~2社だけ参入している様な地域も少なくありません。

 

つまり地方のドラッグストア薬剤師として働く場合には必然的に働く場所が決まってしまっているんです。

ですから地方でドラッグストア薬剤師として働く場合には給料云々以前に選択肢がない状態と言えるでしょう。

 

ただ大手ドラッグストアに関しては地方を含めて全国勤務可にすると転勤がありますが給料はその分高くなります。つまり大手ドラッグストアに入社して地方勤務する選択肢はアリです。

 

しかし一方で全国勤務を不可とする場合、つまり転勤なしの場合の求人を見ると例えばマツモトキヨシでは東京・大阪・神奈川などの都市部では年俸482万円ですが、山梨・岐阜・奈良などの地方では年俸458万円と都市部よりも低めに設定されています。

<マツモトキヨシの求人>
東京・大阪・神奈川など:年俸482万円
山梨・岐阜・奈良など:年俸458万円 引用:マツモトキヨシHP

つまり少なくともマツモトキヨシは場所を固定して働く場合には都市部よりも地方の方が給料が安いと言う事になります。

 

薬剤師が地方で働く時に感じるデメリット

「田舎はのんびりしていてマイペースで薬剤師をやるのに向いている」と言うのは完全に嘘です。実際に地方で働くことを考えている薬剤師の方は注意してください。

ではここからは実際に地方で働く薬剤師のデメリットについて紹介していきたいと思います。

 

交通の便が悪く車が必須

地方は交通の便が悪いです。おそらく大半の地域で車は必須になります。

つまり車の免許と車の購入・維持に費用がかかります

 

都会とは違い駐車場代が安かったり駐車場代がかからない所もありますが、それでも車の維持費がかかってしまいます。

 

また交通の便が悪いと言う事はいざあなたが地元に帰ろうと思った場合にすぐに帰れないケースもあるでしょう。

実際に私が地方で働いていた時には地元に帰るまでに片道5時間かかり、正月に実家に帰る際にも一苦労しました。そして正月以外は帰ることが億劫になり、地元の友人とも若干疎遠になってしまいました。

 

田舎暮らしになじめないと地獄

地方で働くことに抵抗がない人や田舎暮らしに興味がある人ならば問題ありませんが、これまで都会で育ち、生活する上で不自由さを感じたことがない薬剤師にとっては田舎暮らしが苦痛に感じる人も少なくありません。

 

場所によってはコンビニまで歩いて数十分かかる様な所もザラにありますし、娯楽がない・買い物が満足に行えない事も地域によっては珍しいことではありません。

田舎で暮らすためにはこれらを日常的な当然な事として受け止めなければなりません。

ただしもともとインドア派で「取りあえずネットが繋がっていれば生きていける。買い物はアマゾン」と言う人にとってはあまり抵抗がないかもしれません。

 

職場が常に人手不足で代えがきかない

地方は慢性的な薬剤師不足であるため、常に人員が最小限でありおまけに代えが効かない職場も少なくありません。

 

ですから1人薬剤師や常勤プラスパート薬剤師の職場などは決して珍しくなく、またあなたが風邪をひいても休むことができないと言ったケースも出てくるでしょう。

もちろんこれらは地方に限った話しではありませんがより地方に顕著な事例となります。

 

薬剤師が高給で不満なく地方で働くために必要な4つのこと

ではここからは地方で高給で働きたい事を考える薬剤師が事前に確認すべき4つのことを紹介します。

ここを疎かにしていまうと結果的に後悔することになる人が多いと思いますのでしっかり確認してください。

 

同じ県でも給料格差がある

地方で働くことを考えている薬剤師は「何県で働く」と言うこと大事ですが、それと同時に同じ県でも地域格差が大きい事を考えなければなりません。

 

例えば平均年収がワーストだった三重県を見てみましょう。

三重県薬剤師求人

こちらは三重県の薬キャリの調剤薬局の求人ですが年収は600~800万円。平均年収が437.5万円であることを考えるとかなり高い給料ですよね。

おまけに勤務地は三重県の県庁所在地である津市ですから、地方の中でもさらに田舎の方が給料が高いとは一概に言えずこの様なケースは多々あります。

 

この様に平均年収自体が低い地方であっても確実に年収が高い所もあり逆に平均年収が高い地方でも年収が低い所も多いため、同じ地方でも給料が高くなる地域を吟味して探す必要があります。

逆を言えばあなたが働きたい都道府県がある場合、たとえ平均年収が低い地域でも高い年収を探すことが可能と言う事です。

 

僻地すぎるところは避けるべき

もしあなたがどれだけ田舎でも構わないと考えるのであったとしても、いきなり僻地に行って働くことはあまりおすすめしません。ハードルが高い可能性があるからです。

 

と言うのもやはり地方は不便です。さらにこれが僻地だとさらに不便になってしまいます。

上でも言いましたが近くにコンビニがないのは当たり前ですし、交通の便が悪すぎる所も多く、いざ日用品を買うにも車で移動が必要な事もしばしば。もちろん娯楽はありません。

 

ですからおすすめとしては地方でもそれなりに栄えている所で働くことです。

県庁所在地や県で1~3番目に人口が多い所ならば、想像している斜め上を行く田舎暮らしはおそらくないでしょう。不便さもそこまで感じないと思います。

 

給与以外にも残業代や家賃補助に注目する

例えば地方で給料が年収800万円の求人があったとします。

そこであなたは働く決意を固め転職したとしましょう。しかし実際に働いてみるとサービス残業が月に50時間あったとすると時給が3000円ならば実質月に15万円分のただ働きです。

つまり高い給料のからくりは長い労働時間だったと言うケースも非常に多いです。

 

また地方で暮らす場合賃貸で暮らすことになると思います。

確かに地方は家賃自体が都市部と比べて破格的な値段で提供されていますが、それでも家賃は出費の中でもかなり重要なランニングコストになります。

 

ですからできれば地方に転職を考える場合には単純な給与以外の残業時間残業代の有無、そして家賃補助などについても目を向ける必要があります。

ちなみに地方で家賃10万円の賃貸に住むとセレブの仲間入りです。と言うよりも単身向けでの10万円物件がない所も多いです。

 

地方でも旅行がてら見学に行くべき

いきなり見知らぬ土地に引っ越して新生活をスタートするのも良いですが、ふたを開けてみると職場の人間関係や住んでいる地域の環境が想像以上に合わないケースも出てきます。

 

ですからもしあなたが地方での薬剤師生活を考えているのであれば、たとえ遠くても旅行がてら一度は見学に行ってみることをおすすめします。

働く場所によっては交通費を出してくれる所もあるため、もし見学希望な時は転職サイトを活用しましょう。

 

薬剤師が地方で働くならば転職サイトの利用は必須

薬剤師が地方で働きおまけに高給を求める場合にやるべきことをまとめると

・地方の中でも比較的人口が多めの所

・同じ県でも給料格差があるので注意する

・残業がなかったり家賃補助がある求人を探す

・実際に見学にいく

これらのことを地方で働くことを考えている薬剤師は事前にしっかり確認するようにしましょう。

 

そしてその際には薬剤師転職サイトが間に入っていると話がスムーズに進みます

逆にこれを個人で行うとなるとファーストコンタクトから見学の段取り、実際の見学とその後について全て一人でやる必要が出てきますので、莫大な労力を要してしまいます。

ですからもし地方で働くことを考えているのであれば絶対に転職サイトを利用しましょう。

 

この時利用すべき転職サイトは地方の隅々まで求人を持っており、薬局だけでなく病院までフォローしている薬キャリ

こちらは地方で働くことを考えている薬剤師には必須と言えるでしょう。

薬剤師転職の王道!エムスリーキャリア

 

また面接時に同行してくれるサービスと高額求人数に特化しているサイトのファルマスタッフの利用も併せておすすめです。

薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
また地方で働くことを考えていても仕事が忙しく現地に行けない薬剤師も多いと思いますが、そんな時に「残業時間がどのくらいあるのか?」「残業代は出るのか?」などの少し踏み込んだ質問を個人で行う事に気が引ける人などは、これらの交渉は薬剤師転職サイトが行ってくれますし仮に面接を行う時の日程調整なども行ってくれます。

 

ですから高い給料目的で地方で働くことを考えている薬剤師はファルマスタッフや薬キャリを絶対に利用するようにしましょう。