「新人薬剤師のうちは有給を使うな」「薬剤師1年目は残業して当たり前」「給料を求めてはいけない」と言われる事があります。
この問題に関しては給料はさて置き、確かに新人薬剤師が有給を使いたがったり残業したくないと主張する事は間違いだと言えます。
今回はその理由について詳しく紹介していきます。
目次
新人薬剤師が有給や残業なしを求めてはいけない真の理由
薬剤師に限った話しではありませんが、社会人1年目や新人の時には「理不尽な事でも受け入れろ」「苦労は買ってでもしろ」と言われます。薬剤師などの専門職に関しては「早く一人前になるために必死に勉強をしろ」ともいわれる事があるでしょう。
しかし1~2年目の新人薬剤師の中にはこう考える人もいるはずです。
「自分は残業したくない。サービス残業だし家に帰って勉強した方が有意義だ」
「有給を使う事に文句を言うのは時代錯誤もいいところ」などなど。
ただこの考えは絶対にやめた方がいいです。それを態度に出しても絶対にいけません。実際に口に出して主張するのは持ってのほかです。
どうしてダメなのか言いますと理由はただ1つ。
あなたが不平不満を言っても残念ながら改善される可能性はかなり低いためです。一方であなたが他のスタッフと対立し孤立してしまう可能性はかなり高いです。
と言うのも基本的に誰しも残業はしたくありませんし、有給は取れる時に取りたいです。
しかし薬剤師の職場の場合はそもそもそんな環境にない場合も少なくありません。
例えばいくら残業なしを求めて午後6時に帰りたくても患者さんが6時以降に来たらそもそも無理な話です。有休をとりたくてもそれをカバーする程の人がいない可能性もあります。実際に私の知り合いで冠婚葬祭でも結婚式では有給はもらえないという人もいました。
薬剤師の働く職場は常にギリギリの人数で回している職場が大半だと思います。
そんな環境において経営者が残業・有給のために薬剤師をさらに雇う事は考えられませんし、かなり非現実的な夢だと言えます。
つまり「現状を見てものを言え」と周りからヒンシュクを買ってしまうのはある意味必然であり、それを薬剤師経験の浅いあなたが「正論」と「権利」を主張しても実を結ぶ可能性は限りなく低く、それどころか自らの首を絞めるのは必然的なことでしょう。
薬剤師が有給や残業なしを求める事は悪い事ではない
繰り返しになりますが新人薬剤師が今の職場の体制を変える事はほぼ不可能です。
いくら理想論を振り回しても改善はなく、最悪の場合周りからの風当たりが強くなる事で一番大切な薬剤師としての業務に支障をきたす可能性もあります。すると最悪今後もずっと引きずるトラウマを作ってしまう事にもなりかねません。
ですから残業なし有給を取る夢はあきらめてください。
しかしだからと言って新人薬剤師でも残業なしを求めたり有給取得を求めたりする事自体は何ら悪い事ではありません。
今の時代は「本人が良ければ問題ない」とするやりがい搾取の職場がどんどん整備されていく時代になっています。医師ですから働き方改革が叫ばれている時代、どの職業においても労働基準法に則った品行方正な職場環境に変わりつつある時代です。
ですからはっきり言わせてもらうとあなたがどんな事を職場に求めようがあなたの自由であり、他人にとやかく言われる必要はありません。
一番の問題は第三者が「新人薬剤師が残業なしを求めてはいけない」「新人薬剤師に有給なんて不要」「新人薬剤師はがむしゃらに働くべき」だと周りが決めつけ、そしてそれを鵜呑みにしてしまう事が一番の問題です。
あなたもネットで薬剤師の平均残業時間や有給取得率を検索して自分の立ち位置を確認する必要はありません。もしそれで平均程度ならば我慢できますか?きっとできませんよね。
ですから今あなたが絶対にやってはいけない事は今の職場で理想とする働き方を望むという事。そして自分の理想とする職場で働く事。この2つを両立すべきだと言う事です。
平たく言えば理想とする職場にさっさと転職しましょうと言う事です。
残業なし・有給取得率の高い薬剤師の職場は存在する
あなたは非常に恵まれていると思います。と言うのも残業なしが良い、有給が欲しいという欲求はそれが決して叶わない夢ではない事を知っているためです。
おそらく同期の薬剤師や求人サイトを眺めたりすると実際に残業がほぼなかったり有給が取れる職場が存在している事が分かると思います。しかもこれが全体の1%と言う超まれな職場ならばまだあきらめがつくかもしれませんが、現実的に可能な職場も絶対に存在するからです。
つまりは現実的でない事ならば半ばあきらめもつきますが、手を伸ばせば届きうる願いのためどうしても今の現状に納得がいかないのだと思います。
そしてあなたもきっと残業は絶対に1分もしたくないわけではなく、現状に不満があるのはサービス残業が当たり前の状態になって、むしろ定時に帰る事が悪だとされる現状ではないでしょうか。
有給もフルに有給を使いたいわけではなく、友人の結婚式やたまの旅行ぐらい休みが欲しいと言った程度の話しではありませんか?
しかし今の職場ではそれが絶対に無理と分かっているため不満を募らせ葛藤しているのだと思います。
だからこそあなたに今必要な事は周りに流されず、こうあるべき薬剤師論に耳を傾けず、自分の理想とする職場で働く事以外にありません。
薬剤師が残業なし有給取得を求めるためにやるべき2つのこと
ただ周りの意見を気にするなと言っても新人薬剤師のうちは中々転職に踏み切れない場合もあると思います。頭でわかっていても行動に移す事が難しいのが転職です。
鬱になるくらいツライ職場でも退職という選択肢を取れない人も大勢いる中で、はっきり言えばあなたの退職動機は行動に移すレベルではないかもしれません。
そして行動に移せない大きな理由に「不安」があります。
こんな早く転職して次の職場で嫌な顔をされないだろうか。将来また転職する時に影響してしまうのではないだろうか。色んな不安が付きまとうと思います。
だからこそ今直ぐに行動に移せない人は今から2つの事をやりましょう。
1つは期限を定める事です。
あなたは99%転職します。ですから無期限でダラダラ働いても意味がありません。「今の職場で得られるものを1つ残さず吸収して辞めてやる」と言った心構えで自分で期限を設けて辞める時期を明確に設定しましょう。その方があなたも1日1日の仕事に意味を見いだせますし身に付くスピードも絶対に格段に上がります。
もう1つは働きながら転職活動を行うという事です。
今転職に踏み込めない大きな理由は「不安」にあると言いましたが、あなたも薬剤師の仕事は探せばいくらでもある事はご存じだと思います。
しかしあなたが理想とする職場は残業がなく有給がとれ、できれば給料も良い職場になるでしょう。
するとこれらの好条件の仕事はいざ転職活動を始めたからと言って即座に見つかるものではありません。ある程度時間をかけて探す必要があります。
なにより長い目で転職活動を行う事は「比較」する事ができますので、自分が求める相場を知る事ができます。ですから転職は時間をかけて行いましょう。あなたが辞める期限を設定した日まで転職活動ができますので、仮に退職していないとしても今すぐに転職活動をスタートしましょう。十分な情報が集められると思います。
残業なしで有給が取れる薬剤師の転職先の見つけ方
では転職活動を始めるとして転職サイトを使う事は避けられませんが、どの転職サイトを使うべきかと言えば、ある程度残業や有給に関しての情報を持っている転職サイトを使う事を推奨します。
と言うのも基本的に給料と休日の情報は手に入りやすいですが、残業や有給に関してはノーマークの求人サイトも決して少なくないためです。
具体的には薬キャリは残業なし・有給休暇の取得推奨に関しても情報をもっているため、あなたが転職活動をするにはぴったりな転職サイトになります。
ただこの際に絶対にやってはいけない事が表面上の情報だけで転職を決めないと言う事です。これは「残業ゼロ・有給取り放題・給料もそこそ。でも人間関係が崩壊している」と言った職場ならば再びあなたは転職を考える事になってしまう可能性が非常に高いためです。
ですから上辺の情報を少しでも多く収集した後はしっかり目ぼしい職場の見学を行うようにしてください。そして現場の薬剤師と実際に話をしてみてください。
ちなみに薬キャリではしっかり見学の調整も行ってくれますので、こちら側の労力はゼロです。安心して見学に行かせてもらいましょう。