調剤薬局で働いている人の中の不安として門前薬局かつ単科の診療科しか扱っていないため、自分の知識の面が不安な人もいます。例えば皮膚科門前だったり整形外科の門前薬局、小児科門前ですね。
そこで今回は単科の門前薬局であるため将来が不安な薬剤師の悩みを見て行きたいと思います。
目次
単科門前で将来が不安な薬剤師
小児科門前薬局勤務の薬剤師の場合
【年齢】27歳
【職場】薬局(小児科門前)
【年収】600万円
【人間関係】普通
【家庭】あり
薬学部を卒業して地元の薬局の就職して3年。
就職の段階で周りは大手のチェーンを選んでいる人もいたが、自分は給料重視で地元の小児科門前薬局を選んだ。
確かに同年代よりも給料は高めであり、人間関係でも大きな問題もなく、休みも一般的で特に問題もない。
仕事も慣れてきて、薬局内の薬に関する知識や、親御さんの薬に関する悩みにもほぼ応えられる自信もついている。
では何が問題かと言えば自分の薬剤師としての知識である。
病院に就職した同期の友人などは学会で発表をしたり、英語の論文を読んで社内勉強会を行ったりしているが、自分は絶対的な薬の種類も少なく、子供の薬に関しては知識があるが、大人の薬に関しては正直不安が募る。
調剤も粉やシロップばっかりだ。
将来転職を考える時にこのままではいけないと思い、いっそのこと勉強できる環境へと転職を考えている。
薬剤師は隣の芝生は青く見える
薬剤師になって最初の数年は周りの環境がとても気になるものです。
「ヨーイドン」でスタートした各々が、学んでいる事や置かれている環境、おまけに給料まで異なる訳ですから気にならないという方が難しいでしょう。
また年齢的にも結婚式があると軽い同窓会の様な形になり、より密に他の薬剤師の状況を把握できてしまいます。
そしてその都度、あなたは間違いなく他人をうらやむ事になるはずです。
なぜなら他の薬剤師は基本的に良い事しか言いません。
おそらく周りの人の話しでは「自分は今の職場に満足している」と言った見栄を張った意見が多いでしょう。
それに愚痴の言い合いになっても、他人の口から聞く悩みは深刻さが今ひとつ不明確です。
本心では勉強になる職場だが「月収20万の病院薬剤師で辞めたい」と思っていたり、勉強になる総合病院の近くの薬局でも「同量薬剤師との人間関係が最悪」だったりと、核心に触れたデリケートな部分に深く突っ込んだ議論はその様な場ではおそらく行われません。
「いろいろ大変だよね」と流される事も多いのではないでしょうか。
ですからそういう場での話しは余計に他人の芝が青く見えるものです。
単科門前薬局を転職する必要がない理由
薬剤師の悩みは金とヒト
薬剤師の職場においての一番の問題は人間関係とお金。
この2つに折り合いがついている場合はその職場を大切にするべきです。
例えばあなたが今から病院薬剤師を希望するのであれば少なくとも給料面では妥協が必須。
中にはそれなりの給料を出す所もあるかもしれませんが少数派でしょう。
薬局で勉強になりそうな所に就職できても、それが自分の理想を叶えれる所になるかははっきり言って外からでは分かりません。今のご時世、薬の勉強と言うのはネットでも書籍でも勉強会でもいくらでも自主的に取り組む事が可能ですから、自分の職場を変えてまで行う必要はありません。
もしあなたに学ぶ気があれば1つの職場で働く事が大きなハードルになる事はあり得ません。あなたがこれまで経験した薬剤師としてのスキルは無駄になる事はひとつもないでしょう。
単科門前薬局を辞める選択肢も持つ
しかしそうは言っても不安は解消されないものです。
実際に自分の目で見て触れてみないと身に付かないと考える人も多いはず。
そんな時は一度外に出てみるのもあなたの人生において決して無駄にはならないでしょう。
もちろん無難な道を進むのならば、今のまま勤めるのも1つの手段ですが、一度外を見てみてあなたが納得するのが一番だと思います。
「勿体ない」「どうして辞めるの」と思われるかもしれませんがあなたの薬剤師人生ですから、色んな事を体験するのも大きな糧になります。
薬剤師は環境を変えたくない生き物
ここまで読んで、あなたは結局どうすべきか分からないですよね?
その理由は当たり障りのない事を書いているからになりますが、どこの意見を見たとしてもきっとあなたは背中を押されるようなものは手に入らないと思います。
そもそも薬剤師が「今の職場を辞めるべきか?辞めないべきか?」と悩むのはよくある事ですが、もしそれで悩んでいる薬剤師がいるならば、おそらくその段階でほぼ99%の人がすでに「辞めたい」と意識しています。
しかし多くの薬剤師は辞める選択肢を選びません。
その理由は「あなたの辞めたい度合いが低いから」になります。
あなたは今恵まれた環境です。
上でも言いましたが人間関係とお金に悩みがない職場はかなり恵まれた環境である事は間違いありません。
しかし他の薬剤師と自分を比較してしまい、自分の立場に不安を感じてしまう。
辞めたくなると言うよりも「このままではいけない」という気持ちの方が大きいのではないでしょうか。
この場合は絶対に辞めてはいけません。
その理由はあなたが恵まれた環境を捨てるのが勿体ないからではありません。
薬剤師が転職しても悩みを解決できない理由
もしあなたが勉強になる職場を求めて転職する場合、必ずまた転職する事になります。
その理由は、そもそもあなたが転職を考えた理由は「自分の絶対的な価値観」によるものではなく他の薬剤師を見て感じた「相対的な価値観」によるものだからです。
この場合はあなたが仮に転職したとしても、おそらくまた他の薬剤師と自分を比べて転職する事になってしまいます。
もしくは今は訪れていない人間関係の問題やお金の問題が起きる可能性もゼロではありません。
あなたは今辞めようか辞めないか迷っているのであれば絶対に辞めてはいけません。
もし「あの職場で働きたい」という強い意思があるならば辞めても構いませんが、今の状態では転職しても意味がありません。
併せてこちらもどうぞ。
http://newpharmacist.net/case111
将来が不安な薬剤師に伝えたいこと
よく「やらない後悔よりやって後悔すべき」という言葉が言われますが、あの言葉は万能ではありません。
あれはやってしまった自分を責めないで済むようにするための「自己肯定」のために使われる言葉でもあります。
そして今のあなたは一旦「辞める」という思考になってしまったために、もし途中で転職するのを辞めてしまった場合はきっと後悔するのではないかと思うかもしれませんが、その自己肯定は間違いになります。
それに焦らずともあなたは必ず他の理由で辞めたい・辞めなければならない瞬間がやってきます。
辞めるカードはその時までとっておきましょう。