薬剤師のお金事情

【2018年度版】大手調剤薬局の初任給を比較した結論

 

大手調剤薬局と言えば日本調剤やアインホールディングス等の有名企業がありますが、実は大手調剤薬局の売上高トップ10を合計しても全体の15%しかありません。つまり大半は大手以外の中小薬局と言う事です。そして中小の薬局の方が一般的に初任給が高めに設定されていることが多いです。

 

しかし大手調剤薬局の特徴としては以前と比べて初任給が右肩上がりであること、大手企業なので福利厚生や休みが安定しているなどのメリットがあります。

 

そこで今回はそんな大手調剤薬局の初任給を中心に見て比較していきたいと思います。もし大手調剤薬局への就職を考えている方は参考にしてみてください。

 

初任給が最も高い大手調剤薬局はアイセイ薬局

2018年度の大手調剤薬局における初任給で最も高額だったのがアイセイ薬局になります。

基本給や地域手当などを諸々コミコミで入れるとトップの45万円となっています。

引用:アイセイ薬局HP

 

ただ「初任給から全員45万円」と言うわけではなく、基本給としては22万円となっていますので地域手当(0~15万円)がかなり大きく響いています。そして15万円の地域手当が出るケースはそう多くないでしょう。

そう考えると瞬間最大風速的な初任給ではアイセイ薬局がトップになりますが募集要項を見る限り25万~45万円となっていますので、余程地方へ赴任しない限りは一般的な給与水準と言えそうです。

 

全国勤務以外でも高い給与のクオール薬局とトーカイ

地域手当を加味するとアイセイ薬局がトップの45万円の初任給になりましたが、地域手当に依存しない給与が高い調剤薬局はクオール薬局になります。

≪全国コース≫321,000円~381,000円

≪広域コース≫281,000円~341,000円

≪地域限定コース≫261,000円~321,000円
引用:クオール薬局HP

 

全国コースは文字通り全国が対象となる勤務地ですが、広域コースは関東・中部などの範囲、地域限定コースは自宅から通える店舗内での移動があるという仕組みになっています。ちなみに通勤時間は最大90分となっているそうです。

各コースの中でも給与に幅があるのが特徴的ですが、それでも最低額が全国コースが32.1万円、広域コースが28.1万円、地域限定コースが26.1万円となっており大手調剤の中ではもっとも高額な給与形態となっています。

 

またトーカイもクオール薬局に負けていません。

<自宅通勤・近距離コース>月給295,000円

<自宅通勤・遠距離コース>月給345,000円

<独身赴任コース>月給375,000円~
引用:トーカイHP

単身赴任コースが37.5万円となりクオール薬局の全国コースの38.1万円に続く高水準の給与となり、驚くべきは自宅通勤・近距離コースでも29.5万円となっています。

 

売上高トップ2のアインホールディングスと日本調剤の薬剤師の初任給

2017年度の調剤薬局部門の売上高日本1位のアインホールディングスの薬剤師の初任給はどうなっているのかと言いますと25万~38万円となっており、特段高い初任給と言うわけではなさそうです。引用:アイングループHP

 

一方の調剤薬局部門の売上高第2位の日本調剤ですが、こちらの初任給は25~31万円となっています。引用:日本調剤HP

 

売上日本1位と2位のアインホールディングスと日本調剤は共に同じスタートの初任給である25万円に設定されています。全国コースは38万円と31万円となりそこそこの差額になります。

 

卸の薬剤師の初任給について

スズケンや東邦ホールディングスなどの卸も調剤薬局の運営を行っており、2017年度の調剤部門での売り上げでそれぞれ5位と6位にランクインしています。

では肝心の初任給ですが、例えばスズケンの卸部門の場合は以下の様な募集要項となっています。

管理薬剤師 25.5万円(管理薬剤師手当3万円含)

DI業務 23.55万円(薬剤師手当1.5万円円含

引用:スズケンHP

 

卸部門の薬剤師の募集は一般的な薬局の募集と同じくらいです。

では調剤部門での薬剤師の募集はどうなっているのかと言いますと、子会社であるファーコスでは25.4万円~32.4万円となっており、もう1つの子会社であるエスマイルでは26万円~36万円となっています。

ちなみにスズケンとしての調剤薬局薬剤師の募集は行っておらず、各子会社での募集となっているようです。ですから親会社が卸だから云々と言う話しではなく子会社の薬局としての給与自体の名残があります。

 

その他の薬局初任給

〇クラフト薬局

薬剤師:大学卒・修士了 253,000円~350,200円

引用:クラフト薬局HP

 

〇ファーマライズホールディングス

学士卒:250,000円~350,000円(地域手当、薬剤師手当を含む)

修士卒:260,000円~360,000円(地域手当、薬剤師手当を含む)

引用:ファーマライズHD HP

 

初任給や家賃補助を考えるとクオール薬局がおすすめ

もし大手調剤薬局の中で選ぶとすると働く条件によって異なると思いますが、客観的に判断するとクオール薬局がおすすめです。

 

理由としてはまず純粋に初任給が高い点。全国コースならば32.1万円となり大手調剤薬局の中でもトップクラスです。

また重視すべきは家賃補助。この家賃補助は就職するときの判断材料として軽視しがちですが、クオール薬局は家賃額の9割を補助してくれる制度があるため仮に6.5万円の家賃だとしても6500円で済みます。当然ですが家賃は毎月発生しますので、この負担を軽減できることは年収で言えば50万円程度高くなると考えてもいいでしょう。

また通勤手当は全額負担、年間休日も2018年実績で123日となっておりその他福利厚生も大手なのでかなり充実しています。

もちろん自分が働きたい企業があるならば別ですが客観的に大手調剤薬局を見てみると総合評価でクオール薬局が良いのかもしれません。