薬剤師の多くは勤務薬剤師として働いていると思いますが、大学の同期の中にはMRとして働いている知人も多いのではないでしょうか。
そしてMRと聞いて多くの人が抱いているイメージは営業は大変そうだというイメージを抱く人も多いと思います。
しかし中には「そうでもない、自分には合っている」という人も一定数いることから一括りに大変とするのも違う気もします。
一方でイメージではなく明確な事実として多くの方に周知されていることはMRの年収は高いということでしょう。ただそんな高給とされているMRでも、入社1年目などは普通の勤務薬剤師の方が年収が高い場合がほとんどです。
そこで今回は勤務薬剤師の生涯年収とMRの生涯年収を比較してみました。
そして併せてもし勤務薬剤師の給料が常にいくらであればMRの年収に追いつけるのかについても紹介していきます。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
※今回は転職サイトDODAのデータを参考にしています
目次
MRと薬剤師の生涯年収比較
MRの生涯年収と平均年収
MRの生涯年収は3億829万円
平均年収としては710万円
となっています。
これは営業系の中でもトップクラスの生涯年収です。もちろんMRの中にもメーカーにより年収は様々ですが、平均を取るとこの様な数字になります。
薬剤師の生涯年収と平均年収
生涯年収は2億788万円
平均年収としては499万円
全86の職種の中では30位なので半分よりも上位といった感じでしょう。ちなみにMRは3位です。
ただ前回は47位から順位を上げているのを見ると、薬剤師の人手不足は健在といった所でしょうか。
MRと薬剤師の生涯年収の差は約1億
上記でも分かる通りMRと薬剤師の生涯年収の差は約1億円にも上ります。
平均年収でも200万円程度差がありますね。
MRの年収が高い事は周知の事実ですが、生涯年収で約1億円も差が開くという結果には驚きです。
薬剤師がMRの生涯年収を越えるには
勤務薬剤師は昇給が少ない代わりに最初の給与設計が高く設定されています。入社して数年は薬剤師として働く方がMRとして働くよりも年収は高いです。
では仮に勤務薬剤師の年収が常にいくらであればMRの生涯年収に相当するのでしょうか。
MRの生涯年収は3億829万円ですが、これを新卒から定年までの年数で割ってみます。
3億829万(円)÷38(年)=811.3万(円/年)
ざっくりですが、年収に大きな変動がない勤務薬剤師からすれば新卒の段階から800万円程度の給料の所に就職すればMRの生涯年収と同等の額を貰える事が可能と言えます。
もちろん薬学部は6年制ですが定年後も働ける点や、上場企業などの大手から順調にキャリアを重ねて結果的にはMRの生涯年収を越える場合もあるでしょうが、一般的な勤務薬剤師がMRの生涯年収に追いつくにはかなりのハードルがあると考えられます。
年収800万円の薬剤師の求人は現実的なのか
しかしそうは言っても「新卒から800万円は無理。そもそも800万円の求人自体あるのか疑問だ」と言う声が聞こえてきそうですが、現実はどうでしょうか。
実際に薬キャリを利用して年収800万円の求人を検索したところ、意外にも1183件もヒットしました(2018年11月末時点)。
しかしその条件として
管理薬剤師募集
一人薬剤師
MAX年収が800万円(スタートは600万~等)
という求人が多く、やはり新卒1年目から年収800万円の壁は高いと言えます。
薬剤師がMRの給料を越えるためには働く場所次第
勤務薬剤師の生涯年収がMRの生涯年収を越えるラインは約811万円ですが、昇給がほとんどない点・新卒から800万円の給与を貰うことは現実的に厳しい点からも、MRの生涯年収を越えるのは難しいと言えるでしょう。
もちろん、やりがいも職種も異なる仕事の年収を比較すること自体にどれだけ意味があるのかと言えば答えに困る所ですが、働く人にとってお金は意識しなくても意識せざる得ないものになります。
特にMRは別格だと捉えて鼻から気にしないと言う人も多いでしょうが、同じ勤務薬剤師ならばやはり懐事情は意識してしまいますよね。
しかしそれを払拭するには自分の年収を上げること以外に解決はできません。
ですから他人の年収が気になる場合は気にならないくらいの高い年収の職場を見つけましょう。現時点で年収800万円の求人が1000件以上も存在し、またそれ以上の求人も存在する今の時代において勤務薬剤師の最大のメリットであるいつでもどこでも働ける強みを最大限活用してみてください。