薬剤師のお金事情

薬剤師のボーナスは約90万円!ボーナスを上げる方法は1つだけ

 

毎年夏と冬のボーナス時期になるとソワソワして何を買おうか考える事が楽しみな薬剤師の方もいると思いますが、薬剤師の場合は年収が決まっているためボーナスとは無縁の人も多いのではないでしょうか。

そしてボーナスのアリ・ナシにはそれぞれメリットとデメリットがあり、一概にどちらの方が良いのかとは言えません。しかしボーナス時期に羽振りの良い人を見ると「やっぱりボーナスって羨ましい」と思う人も少なくないと思います。

 

そこで今回は薬剤師のボーナス事情について触れてみたいと思います。

他の薬剤師はボーナスをいくら貰っているのか

薬剤師のボーナス額はどういった計算式で表されるのか

薬剤師1年目のボーナスはどれくらいなのか

いったいどうすれば薬剤師のボーナスは上がるのか

これらについて詳しく紹介していきたいと思います。

 

薬剤師のボーナス(賞与)の計算は基本給×2~3カ月

ボーナスを支給している企業はおおよそ年に2回夏と冬にボーナスを支給します。

では実際に薬剤師が貰うボーナスがどれくらいなのかどういった計算で支給額が決まっているのか見て行きましょう。

 

薬剤師の平均ボーナス額は85~97万円

では薬剤師の平均ボーナス額はいくらになっているのかと言いますと厚生労働省の調査によると薬剤師のボーナス額は約85~97万円となります。

参考:厚生労働省「2018年 毎月勤労統計調査」より

ちなみに勤続年数は8.3年となっています。

 

ちなみに平均年収も見てみますと

従業員1000人以上の職場では460.45万円、100~999人の職場では462万円、10~99人の職場では534.1万円

となっています。

 

薬剤師のボーナスの計算方法

一般的にサラリーマンのボーナスは基本給×○○カ月分とされています。では薬剤師の場合はどうでしょうか。

 

薬剤師の給料はざっくり分類すると基本給+薬剤師手当がベースとなって、あとは地域手当、住宅手当、通勤手当、役職手当、時間外手当、扶養手当などが加味されています。

 

そして薬剤師のボーナス額も他の職種と同じ様に基本給×○○カ月となっています。

しかし当然満額ではなく、さらに社会保険料と所得税が引かれた金額がいわゆる手取りとして支給されます

 

となると薬剤師のボーナスでの一番の問題点としては薬剤師手当が含まれないということです。基本的に薬剤師の給与は基本給に加えて薬剤師手当が含まれてるからです。またこれは地域手当や通勤手当などの各種手当もボーナスに影響しません。

 

ではこれはどういうことかと言いますと基本給が安く薬剤師手当の額が多い職場であると相対的に年収が低くなりがちと言う事です。

 

例えば月30万円の給料でも薬剤師手当てを高く設定することでボーナスの額を下げる職場もあるため注意が必要です。仮にボーナスが4カ月分だとすると

基本給20万円+薬剤師手当10万円 ⇒ボーナス80万円

基本給25万円+薬剤師手当て5万円 ⇒ボーナス100万円

 

この場合だとボーナスはかなり低くなってしまいます。

つまりボーナスがある職場の場合は月給の中の基本給をしっかり確認する必要があるということです。また逆にボーナス6カ月分としながらも基本給が安い所があるので注意しましょう。

 

年収が決まっている職場はボーナスがないのか

薬剤師の求人では「年収600万円」といった感じで給料が決まっている場合があります。

ではこの場合のボーナスはどうなるのか?と言う話しですがこれには2つの支払モデルがあり、1つは月給+ボーナスで合計年収600万円とする計算、もう1つは月給50万円×12での計算方法です。

前者の場合にはボーナスという形で給料が支払われるため形的には「ボーナスあり」となります。かたや後者の場合には「ボーナスなし」となります。

 

では年収600万円での求人があった場合にこに年収600万円にプラスアルファでボーナスはないのかと言いますと、基本的にボーナスはないと考えた方がいいでしょう。

 

もし会社への貢献度が高かった場合に特別にボーナスを貰えることもありますが、初めから期待しないようにしましょう。

私もボーナスなしの職場で働いていた時に特別に寸志として5万円の特別ボーナスをもらいましたが結局1度切りのボーナスでした。

 

薬剤師1年目のボーナス、夏は0~2カ月冬は2~3カ月分が基本的

では次は薬剤師1年目のボーナスについてみていきたいと思います。1年目は夏と冬は全く違う金額のボーナスになりますので注意しましょう。

 

薬剤師1年目の夏のボーナスは超安い

例えば6月末にボーナスを貰える職場ならば4月入社組の新人薬剤師はボーナスが貰えるのかと言えば職場によって異なります。

基本給の1~2カ月分である所もあれば、基本給に関係なく5万円だったり10万円だったりと金額が決まっている場合、またボーナスがない場合もあります。

ちなみにマイナビの調査によると薬剤師ではありませんが、1年目のボーナス額を調査した結果、47.4%がボーナスがないという調査結果もあります。参考:マイナビ学生の窓口フレッシャーズ

ただいずれにしても薬剤師1年目の夏のボーナス過度な期待や不満を持たないことをおすすめします。

 

薬剤師1年目の冬のボーナスは今後の指標

かたや1年目の冬のボーナスは今後貰うボーナスと遜色ない額が貰えます。いわば本当のボーナスは1年目の冬のボーナスですね。

金額で表すと薬剤師1年目の冬のボーナスは約40~50万円程度になります。

 

もし薬剤師1年目の冬のボーナスに納得がいかない場合や自分の年収を計算してみて納得がいかない場合は今後の事を考えるのもありでしょう。

2年目以降は昇給がどれだけあるのかが重要になってきますが、薬剤師の場合には昇給が微々たる所も少なくありませんので、職場によってはボーナス額が中々変わらないと言う人も多いでしょう。

 

結局薬剤師はボーナスありとなしではどちらの方がいいのか

薬剤師の職場はボーナスありとボーナスなしの2パターンがあります。

この場合どちらの方が良いのかと言えば基本的には「ボーナスの有り無しに関わず年収が高い方がいい」となりますが、もし年収が同じ程度の求人で迷っている場合には参考にしてみてください。

 

ボーナスなしの方が辞め時を考えなくていい

薬剤師の求人が活発になるのはボーナス後の時期です。つまり多くの薬剤師はボーナスを「退職する一区切り」として利用する人が多いという事になります。

 

しかし、もし9月の時点辞めたいと思っていても辞める際には事前に1カ月前に退職届を提出しないといけない職場ならば辞めれるのは10月です。そうなるとボーナスまでもうちょっとだから頑張ってみようかなと思う人も多いのではないでしょうか。

また9月に退職届を出しても「11月いっぱいまで残ってくれ」と言われたら何だか勿体ないと思ってしまいますよね。

これこそボーナスの罠の1つでもあり、ボーナスを区切りにしてズルズル辞めたい職場で働き続けなけれならないのであればそれはかなりの損失になります。

 

評価がボーナスに反映される可能性もある

ボーナスがない職場であれば個々の評価をするのは非常に難しいです。と言うのもおいそれと一度年収を上げてしまうとそれを簡単に下げる事は難しいからです。

ただボーナスがある職場であればあなたの評価が反映される可能性もなきにしもあらずです。

 

例えば薬剤師が急に辞めて少人数で急遽回さないといけなくなった場合に「もしあなたに辞められると困るためにボーナスを上げる」と言う事もあるでしょう。

しかし基本的に薬剤師の場合はボーナスも想定して含めた高めの年収になっているため、あなたの頑張りが全く反映されない可能性も十分あります。

 

薬剤師がボーナスを上げる方法は1つだけ

ボーナスが上がるのを待つのは現実的でない

薬剤師の場合「与えられた仕事をこなす」事がメインとなっており、自分から新規の患者を得たり、売り上げに直結する仕事をする機会はそう多くありません。

 

ですから薬剤師のボーナスはあなたの努力で上げるのは難しく、単に勤務年数により基本給が上がる事を待つことになります。

また最近ではかかりつけ薬剤師の算定数がボーナスに影響すると言ったこともありますが、それでもやはり与えられた薬局で算定を満たす人を探すのは限界があるでしょう。

ただしもしボーナスを上げるとしたら1つだけ方法があります。

 

ボーナスを上げるために自ら交渉する

薬剤師がボーナスを上げるためには自然と基本給が上がっていくのを待つか、あるいは自ら交渉することです。

 

はっきり言ってあなたがいくら頑張ったとしてもそれがそのまま評価されると考えてはいけません。なぜならあなたの頑張りの評価を給料に反映させる考え自体がない経営者も多いですし、言葉で感謝を告げればそれだけで評価していると思っている経営者もいるからです。

 

ですからもしボーナスに不満があるのであれば交渉する他ありません。

例えば「今後は在宅業務が必須になってくる。だからこれから積極的に在宅業務にも取り組むのでその分を評価してほしい」と交渉したり「OTCや健康食品を今後扱ってかかりつけとしての役割を担います」等と言ってボーナスアップの交渉をしてみましょう。

一見無理かと思われるかもしれませんが、はっきり言ってただ黙っていてもあなたの頑張りを適正に評価してボーナスが自然に上がることを待つのは現実的ではありません。

ただこの場合給与システムが決まっている大手は難しいかもしれません。例えば日本調剤などはボーナスの評価が相対評価となっており、最も評価が高いのがS、通常がCと言った具合に段階的に評価されているシステムになっています。ですから交渉するならば中小の規模の薬剤師の職場になってくるでしょう。

 

ボーナス後に退職するのはアリか

「ボーナスを貰ってから退職をすると心象が悪いのではないか」と考える人も大勢いますが気にする必要はありません。と言うのも上でも言いましたが薬剤師の求人が活発になるのがボーナス後であることを考えれば、薬剤師はボーナス後が辞め時だということです。

 

もしかすると小言を言われてしまう人もいるかもしれませんが、金額にして給料の数カ月分にものぼる訳ですからこれを貰わない理由はありません。あなたが働いた正当な評価になりますので安心して辞めてください。

もし心苦しい場合には次の転職先はボーナスのない職場を選ぶように心がけましょう。