人気の職業ランキングで常に上位なのが「公務員」です。
そして薬剤師もまた医療職の中では人気の高い職業です。
すると公務員×薬剤師で最高の組み合わせかと思われるかもしれませんが、実は案外欠点も多かったりします。
そこで今回は公務員薬剤師の悩みについて触れていきたいと思います。
現在公務員薬剤師で、他の働き方に魅力を感じている方。
辞めたいと言い出せない薬剤師の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
公務員薬剤師を辞めたいQさんの例
【年齢】24歳
【職場】保健所
【年収】350万円
【休み】普通
【人間関係】問題なし
【備考】新卒
薬剤師1年目。
薬剤師の職場は1年目から高額な給料を貰える事は知っていたが、このご時世何があるか分からない。自分が学生の時も薬剤師は飽和するとずっと言われ続けてきた。
そういう事も常に頭にあったので、周りが給料の良い薬局やドラッグストアを選んで行く中、自分は公務員試験の勉強をし県の公務員薬剤師として内定をもらった。
そして薬剤師国家試験も無事にストレートで合格し、今年から保健所で働いているのだが今真剣に悩んでいる。
それは給料が安いという事ではない。それにまだ臨床の経験はないが、いつかは病院に勤務する事もあるので単に臨床がやりたいという事ではない。もちろん保健所の仕事が向いていないわけでもない。
ではなぜ悩んでいるのかと言えば在宅医療に興味を持っているからだ。
と言うのも祖母が介護を受けているのだが、そんな時に親身になってお世話をしてくれる介護士や医療スタッフを見て、自分も祖母の様に自宅で困っている人の支えになりたいと思ってしまった。
しかし家族はせっかく安定している公務員になったので今の職場を辞めるのは勿体ないと言って反対される。
しかし本音を言えば公務員薬剤師を辞めたい。
公務員薬剤師のメリットは年収より安定と肩書
公務員薬剤師は安定となりやすさで人気
公務員薬剤師のメリットとしては安定と言っても過言ではありません。
あなたのいう様に今では薬剤師1年目の新卒でも500万円を出す薬局やドラッグストアも普通に存在する時代ですが、その時代がいつまで持続できるかと言うのは分からない話し。
一方公務員薬剤師であれば長く勤める事で確実な昇給と手厚い福利厚生。そして退職金なども充実しているため、あなたの親も望んでいる様に安定の薬剤師の仕事に安定を上塗りしている様なものでしょう。
公務員薬剤師の給料も悪くない
公務員薬剤師を目指す人の志望動機としては、やはり「安定」を求める声が大きいです。ただ年収は高いと言うわけではありません。
ただ年収600万円(40代)であり、その後も定期的な昇給がある事を考えると公務員薬剤師は安定した仕事・給料からも大変人気が高い就職先になります。
また薬剤師が公務員を目指すメリットの1つが競争率が低めであるため公務員になりやすいと言う事。一般職の公務員と比べても薬剤師の倍率はかなり低めになっています。
※もちろん地域によって差がありますので注意してください
公務員薬剤師を辞めたい時に考えるべきこと
公務員薬剤師が抱える大きなデメリット
公務員薬剤師のデメリットは初任給が安い事が真っ先に挙げられますが、はっきり言ってそれはデメリットと呼ぶにはふさわしくありません。なぜならもっと大きなデメリットがあるからです。
それはいつでもどこでも働ける薬剤師免許という最強の武器を機能不全にしている点になります。もちろん仮に公務員薬剤師でトラブルが起きても薬剤師として転職すればいいだけの話しですが、公務員薬剤師は長く勤め続ける事に意義がある職場です。
その為に初任給からの高給を捨ててまで選んだ職場になります。それに途中で辞めるとなると周りからも確実に「勿体ない」と言われるでしょう。それを考えた時にあなたはいつでも辞めれるはずの公務員薬剤師をスパッと辞める事が果たしてできるでしょうか。
おそらく多くの公務員薬剤師がかなりの決断を要する事になると思います。
そしてそれが1年、2年と時が過ぎるにつれてさらに大きな決断が必要になってくるでしょう。
一生公務員薬剤師でいいと考えられるか
もちろんあなたの親もあなたが公務員でいる事が安心であり、また薬剤師業界の未来なんて明るいか否かと言えばおそらく暗い未来の可能性の方が高いでしょう。
しかし将来の安定を天秤にかけてやりたい事を捨ててまであなたの一生を公務員薬剤師としてささげる。本当にあなた自身が心から納得できるでしょうか?おそらく自問自答する時が必ずやってくると思います。
薬剤師の仕事は「理想」と「現実」を肌で感じて、自分の中で消化していかなければならない事が多いです。仮にあなたの様に在宅医療に興味があって、在宅医療をするために公務員を辞めたとしても、現実はあなたの理想とする仕事が出来ない可能性すら往々にして有りうる話でしょう。
しかしそれでも自分がやりたい事が見つからない薬剤師すら多数存在し、それが悩みの人もいるわけです。そんな中、自分のやりたい薬剤師の仕事が早速見つかったのであれば、それに飛び込める事こそが薬剤師免許を持つ最大のメリットな訳ですから、自分のやりたい事に身を置いてみると言うのは絶対にやった方がいいです。今一度あなたの公務員薬剤師への志望動機を改めて見直してみましょう。
公務員薬剤師を辞めることを後悔する必要はない
では実際に公務員を辞めたは良いものの、自分の思い描いていた薬剤師の仕事とは違った場合でもあなたは後悔する必要など1ミリもありません。次は正しい手段と戦略を持って転職をすればいいだけであり、むしろ薬剤師免許がありつつ転職を1回も行わない方が激レアです。
ではどうして公務員薬剤師を辞めてもいいのかについて少し説明してきます。
他人が公務員薬剤師を勿体ないと言っても聞く必要ない
仕事は人生のほとんどを決めるもの。例えあなたのためを思って「勿体ない」と言ってくれる人がいても、あなたは他人の人生を生きているわけではありません。
ですからあなたがやりたいことを最優先する必要があるのです。公務員薬剤師を辞めてまで追いかけたものが失敗したとしても、それはただの結果論でありあなたが納得するにはあなたが動くしかありません。
薬剤師免許はあくまでもツールです。
あなたが純粋に薬剤師の仕事をしたのであれば、公的病院などで薬剤師として働くのではなく民間でも十分可能です。公務員薬剤師しかできない仕事と言うのはほとんどありません。
つまりあなたが薬剤師免許のツールを使って取得したのは「公務員」という肩書です。
しかしツールはツールであって、それを利用するのもしないのもあなた次第。公務員の肩書を手に入れるのも、そのツールを使ってどこでも望む様な職場に就くのも自由。ただそれを最大限に利用せずに自分の働き方・生き方まで縛りを設けてしまう事は大変勿体ないです。
ですからなるべく早めに見切りをつけてあなたのやりたい仕事に就く様にしましょう。たとえそれが公務員薬剤師でも同じことです。
何となく公務員薬剤師を辞めたい場合でも辞めていい
仮にあなたにやりたいことがない場合だとしても他人の公務員薬剤師なのに勿体ないと言う意見があっても聞く必要はありません。
なぜならおそらくあなたは早かれ遅かれあなたは結局辞める事になると思います。と言うのも人間関係に問題が生じても、それを自力で解決するには時が来るのを待つか自分で辞める選択肢を選ぶしかないからです。
もし人間関係的に問題がある人が移動になったり、逆に自分が移動になったりすることで解決できる可能性もありますが、それまではじっと耐えなければなりません。そしてそれがいつになるのか分からない場合も多いでしょう。

それならば限界が来る前に早く辞める事をおすすめします。その方が生涯年収においてもメリットが大きいです。