一般的な転職理論について

薬剤師が公務員を年収と安定で選んではいけない2つの理由

 

公務員は男女ともに非常に人気のある働き方です。その安定性の高さから公務員薬剤師として働きたい人も一定数存在します。

 

そこで今回は公務員薬剤師の働き方を非公務員薬剤師の働き方と比べてどっちの方がいいのか客観的に比べてみたいと思います。

 

しかし結論から言いますと公務員薬剤師は安定しているから・給料が良いからと言う理由で選ぶと絶対に後悔しますので、その理由にも触れていきたいと思います。

 

公務員薬剤師を目指そうと考えている人
公務員がどれだけ安定なのか気になる人
薬局と公務員どちらの方が給料が良いのか気になる人

これらの方はぜひ参考にしてみてください。

 

公務員薬剤師の安定はデメリット

公務員として働くともれなく「安定」という肩書が手に入ります。もはやこのご時世、公務員ブランドは確立されていると言っても過言ではないでしょう。

しかし公務員薬剤師として働く場合にはこれが必ずしもメリットでなく逆にデメリットになる事がありますので注意が必要です。

 

薬剤師として働けない期間がある

公務員薬剤師として働く場合には薬剤師として働けない時がやってくることがあります。例えば国家公務員の薬剤師として働く人は少数なのでここでは割愛させてもらいますが、都道府県の地方公務員薬剤師として働く場合には行政職として働かなければならない可能性があります。具体的には保健所勤務等です。

 

つまり時期によっては薬剤師としてのスキルが維持できない可能性があるという事です。

 

実際に現場を数年離れると薬の名前や効能効果や副作用などの一連の知識は良い感じに抜けていきます。もしあなたが公務員薬剤師を辞めて薬局やドラッグストアで働こうと考える際に潰しか効かない場合も出てくるでしょう。

 

もしあなたが公務員を辞めないのであれば、基本潰れることのない公務員と言う立場なので確かに「安定」は手に入ると思いますが、そうでない人にとっては果たしてそれが本当に安定と言えるのでしょうか。

 

本当の安定は潰れない職場ではない

もし潰れない事が安定の条件であるならば公務員はベストです。あなたもそれを安定と考えるのであればぜひ公務員を目指しましょう。

 

しかし本当の安定とは何でしょうか?これに明確な答えはないかもしれませんが、あえて世間一般的な考えを元に定義するならば「仕事のスキルが身に付いてどこでも働ける。なお且つそれなりの給料を貰える」ことではないでしょうか。

 

確かに公務員は安定しています。しかし薬剤師の場合その安定にしがみつく必要は少なくとも現時点ではありません。なぜなら世間一般的な安定の条件はすでに満たしているからです。

確かに将来のことは分かりません。薬剤師の給料が10~20年後には半分になっている可能性もゼロではありません。では公務員自体が今後も安定かと言えば、赤字の公的病院の数が多すぎる事が問題視されている昨今において、公務員薬剤師だから安定と言う事も同じ様に考え直した方がいいでしょう。

 

公務員薬剤師は途中でやめたら意味がない

公務員薬剤師の一番のメリットは退職金が約2000万円程度貰えることと、安定的な昇給が見込めるというのが大きなメリットになります。

 

ただし安定的な昇給があるという事はその分若い時の年収は高くありません。また退職金は勤務年数と基本給が非常に大事であり、つまり定年まで勤め上げるもしくはある程度の年齢になるまで働き続けなければ公務員としての恩恵を受けることができません。

言い換えればもし途中で辞めてしまうのであればあまり意味がありません。ただそんな事は公務員薬剤師になると誰でも分かっていることなので、もし辛くて辞めたいと思っても中々辞めれなくなってしまいます。

 

公務員と薬剤師を年収で比較しても意味がない

公務員として働くのと普通の薬剤師として働くのであればどっちが年収が高いのだろうと思う人も多いと思いますがどちらが正解というものはありません。人によりけりです。

単純に給料を考えるなら色んな働き方がある

公務員薬剤師のメリットは上でも紹介した通り安定した定期昇給と退職金ですが、もし単純に給料を考えるのであれば薬剤師ならばいくらでも公務員薬剤師以上の生涯年収を稼ぐことができます。また薬剤師としてではなく一般企業で働くとしても公務員薬剤師以上の生涯年収になることも珍しくありません。

公務員薬剤師の生涯年収は約2億5000万円と言われています。

一般的な薬剤師の生涯年収は2億円強と言われています。

 

これだけ見ると公務員薬剤師の方が生涯年収が高く良さそうに見えますが、公務員薬剤師がこの生涯年収から大きくズレない一方で非公務員薬剤師の場合はさらに上を目指す事ができます。

 

仮に平均年収700万円で60歳まで働いた場合、退職金がゼロだとしても2億5000万円になります。もちろんそれより上を目指す事も可能です。かたや公務員の場合、国家公務員の行政職でも生涯年収で3憶円は厳しいです。

 

公務員薬剤師は副業が禁止されている

公務員薬剤師は副業が禁止されています。そうなると当たり前ですが給料の大半を仕事に依存することになってしまいます。

 

現時点で副業を行っている薬剤師もそう多くはありませんが、これから時代の流れとして副業をする薬剤師はさらに増えていくでしょう。そうなってくると稼ぐ給料も上がり、また副業をやることによって身につくスキルも増えていきます。

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もちろん今後公務員の副業が解禁されないとは限りませんが、定年まで仕事一本の収入に頼り続けるのは結構なリスクとも言えるでしょう。

 

公務員は薬剤師の一番のメリットが使えない

薬剤師のメリットは人それぞれですが、薬剤師でな一般の人から見た薬剤師のメリットは何かと言いますと「どこでも働けてしっかりした給料がもらえる」と言うことになります。

人間関係に疲れたらいつでも逃げる事ができますし、どんなところに住んだとしても食べるに困る事はありません。

 

もちろん公務員薬剤師もいつでも辞める事が可能です。ただし公務員薬剤師を途中でやめてしまうことに後ろ髪をひかれつつ我慢し続けてしまう傾向にあります。なぜなら上でも紹介しましたが公務員は長ければ長く勤める程メリットがあるからです。

一般薬剤師でもなかなか辞める踏ん切りがつかないのに公務員薬剤師である場合さらにそのハードルは上がってしまうでしょう。そうなるとせっかくの薬剤師と言うメリットを有効活用していないことになります。

 

公務員薬剤師で働くべき人は病院薬剤師希望者

これまで公務員薬剤師は必ずしもメリットばかりではない話をしてきましたが、もしあなたが病院薬剤師として働くのであれば公務員は非常におすすめな働き方となります。

 

病院薬剤師として安定した給料が欲しい人にベスト

基本的に病院薬剤師は給料が安いです。民間企業の病院薬剤師として働くならばこれを覚悟しなければなりません。そして給料が安過ぎて長く勤める事ができないケースが後を絶ちません。

 

しかしそんな病院薬剤師でも満足な給料が貰える条件があります。それは公務員薬剤師になることです。いくら給料が安い病院薬剤師と言えども公務員であれば話しは別です。安定した昇給と退職金がありますので全く問題ありません。福利厚生もしっかりしています。

 

ですから病院薬剤師として働き続けたいと考えるのであれば選択肢は以下の3つです。

給料は諦めて自分がやりたいことを優先する

給料の高い民間の病院を探す

公務員薬剤師として働く

そしてこの中で最も現実的なものが公務員薬剤師になるため、もし病院薬剤師を希望するのであれば公務員薬剤師を目指しましょう。

 

公務員薬剤師でも年齢制限が緩いところがある

公務員と聞くとしっかり筆記試験と面接を受けて合格した人だけがなれて、おまけに年齢制限があると思っている人も多いかと思いますが、公務員薬剤師の場合には一般公務員が受ける様な厳しい年齢制限がない公務員も存在します。

 

ですから民間の薬局や病院で働いていたけれど、やはり公務員として働く方が良いと思った場合でも働くことが可能です。

ただしこちらの場合やハローワークや薬剤師転職サイトに求人情報が掲載されることはほぼありませんので、自分の住んでいる地域の公立病院などのHPから求人を探すようにしましょう。