薬剤師の中にはコミュニケーション能力に自信がなく、患者への服薬指導が苦手なため薬剤師として働くことに抵抗を感じている人も多いです。
・出来れば服薬指導はしたくない
・薬剤師の数が足りていないため、自分が服薬指導に回らない訳にはいかない
・次々にやってくる患者に恐怖すら覚えてしまう
この様な経験をしているいわゆるコミュ障薬剤師も少なくないでしょう。
そして世の中には「コミュニケーション能力は自然に身に付く」「場数を踏めば慣れて来るよ」というアドバイスが溢れかえっています。
ただあなたに取ってはそんなことは百も承知ですが今毎日の仕事が怖い状況ではありませんか?先のことより今を一刻も早くどうにかしたいですよね。
そこで今回はそんなコミュニケーション障害、通称コミュ障の薬剤師にふさわしい解決法を紹介したいと思います。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
コミュニケーション能力がない薬剤師が一瞬で変われる方法
まず「服薬指導」と一口に言ってもあなたは何が具体的に苦手ですか?
薬の説明をすることでしょうか?患者と会話のキャッチボールをすることでしょうか?
そもそも人と話すことが苦手なのでしょうか?
しかしそんな人見知り・話すのが苦手な薬剤師でも「薬の説明をすること」に関しては案外抵抗がない人も多いです。言葉は不適切かもしれませんが極端なことを言えば、あなたが一方的に薬の説明を行えばいい話しになりますから、そこに過度の人見知りと言うビハインドは存在しないでしょう。
ですからコミュニケーション能力が足りない薬剤師が最も苦手な服薬指導はズバリ
「患者との会話のキャッチボール」
これにつきます。
もしあなたが患者の機嫌が悪い時や長時間待たされた場合などに下手に「今日はどうされました?」と言うテンプレートな服薬指導から始めてしまった結果患者が激高してしまったケース。
高血圧の薬が追加されている時に「今日は薬が追加になっていますね」と話しかけて「なかなか血圧が下がらなくて」と言われた時に「そうなんですね」としか返せないケース。これらのケースはあなたが会話のキャッチボールが上手く行えていないために起きる問題になります。
ですからあなたに必要な事は服薬指導において会話のキャッチボールの技術を磨く必要があるんです。
会話のキャッチボールを上手くする事は薬剤師にとってはそこまで難易度の高い話しではありません。
と言うのもすでに「薬」と「疾患」というテーマが備わっている中での話しになりますので、これを突き詰めれば何も怖くありません。
実は薬剤師に求められる最低限のコミュニケーションスキルはそう高くありません。
そして会話のキャッチボールを上手く行うためにあなたがやるべきことは1つです。
それは「想定される会話のキャッチボールを全てマニュアル化」すればいいんです。
これをその場で瞬時に上手く会話ができるのであればそもそもあなたは悩んでいません。ですからこのキャッチボールが苦手な人は、あらゆるケースを想定して「上手い返し」を学んでみましょう。
例えば血圧の薬が継続処方されていた場合に「血圧はいつも通りだったよ」と言われた場合に「薬が合っているんですね」「飲み忘れもなさそうですね」と言う様に想定される答えに対して事前にいくつもの返しのパターンを準備しておけばいいんです。
この方法に関しては詳しくこちらでも紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションを取るのが苦手な薬剤師が就職すべき職場
しかし問題はそれでもうまくコミュニケーションが取れない場合です。
ではそれでもコミュ障である薬剤師におすすめの職場を紹介していきます。
コミュ障の薬剤師に病院薬剤師を勧める理由
まず言わずもがな、病院は調剤薬局と異なり患者のカルテを見ることができますので、余計な質問をせずに服薬指導が可能となります。それに薬局とは違い入院患者の情報は医療スタッフ間で共有されています。
例えば何かにつけて怒鳴りつける方などは事前の情報収集が可能になりますし、そもそも調剤薬局と違いクレームを言う患者の絶対的な数が少ないです。
「薬局は薬を貰う所」「病院は病気を治してくれる所」というイメージが強い人も未だに多いため、薬局で偉そうにしている人でも病院では腰の低い人も非常に多いです。
そして病院薬剤師として働く事はあなたが薬剤師としての仕事を継続する事ができますし、苦手な服薬指導の要となる「患者情報を聞き出すコミュニケーション能力」をショートカットして、情報を得る事が可能となります。
病院を選ぶ際に注意点があるので紹介します。
まず避けるべき病院としては急性期でバリバリ薬剤師が病棟業務を行っている病院は避けた方がいいでしょう。
よほどやる気があるのであればいいでしょうが、今度は仕事内容がハード過ぎて辞めたくなる可能性もあります。また人見知りの人だと言って手加減されない可能性が高いので注意してください。
そして院内処方の病院も避けましょう。
確かにカルテは見れるかもしれませんが、基本的な部分は薬局と変わらない面も多く、外来数の少ないクリニックならばともかく、外来数が多い病院の場合はほぼ調剤薬局と同じになりますので、これだと病院薬剤師を選ぶ意味がありません。
つまり結論としておすすめの病院薬剤師としては慢性期の病院薬剤師です。
こちらは入院患者の薬をルーティンで作ることがメインの仕事となりますので、人見知りする薬剤師だとしてもハードルはかなり低いです。
もし病院薬剤師のハードルが高いと感じる人はまずは慢性期の病院薬剤師を選んでみてください。
コミュ障ゆえに暇な調剤薬局を探す
コミュ障であるそもそも理由は人と接するのが苦手である事が大きな理由です。
ですから極端な事を言えば患者の少ない薬局を選ぶというのも理にかなった方法になります。
「でも患者数が少ない薬局をどう探せばいいのか分からない」という人もいると思いますが、こちらに関しては薬剤師転職サイトの中で処方箋枚数であったり、メインとする診療科、そして実際に見学の調整を行ってくれる転職サイトがあるためそちらを利用すれば一発です。
薬剤師免許を使って薬剤師として働かない
この場合には薬剤師以外の職場を選ぶことも選択肢の1つになります。
例えば企業で働いたり、卸の管理薬剤師として働いたり、薬剤師免許を使って薬剤師として働かない働き方は沢山ありますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
コミュニケーションを取るのが苦手な薬剤師が一番大切にすべきこと
今あなたは自分に自信をなくしている状態かもしれませんがコミュニケーションですらテクニックで解決する事が可能です。
ですから今は修業期間と考えて一度コミュニケーションスキルを身に着けるために全身全霊で学んでみてください。
すぐに結果は出ないかもしれません。しかしこのスキルはあなたの人生において一生モノのスキルとなり、今後の薬剤師として大きな糧になるはずです。
もちろんそれでもやはり自分は薬剤師に向いていないと考えるならば、上でも紹介しましたが薬剤師として働く必要はありません。
ただそれでも自分は薬剤師として働きたいと言う人は上で紹介した
・病院薬剤師を視野に入れる
・暇な調剤薬局を探す
この2つを徹底してみてください。
しかしあなたが一番大切にしないといけない事があります。
それは患者とのコミュニケーション以上に一緒に働くスタッフとのコミュニケーションを大切にするということです。
もしあなたが現在コミュニケーションを取る事に疲れているならばそれは職場内の問題もあるのかもしれません。なぜなら職場内でのコミュニケーションが上手く取れずにギスギスしている環境ではとても患者に対して良いコミュニケーションを取る余裕がなくなってしまうためです。
心当たりがある人は一刻も早く転職する事をオススメします。おそらく今の環境ではあなたのコミュニケーションスキルを向上させるのはかなりハードルが上がってしまう事になってしまうでしょう。
ただ転職するにも大変な労力を要してしまいます。きっと一歩を踏み出す方が億劫になり、現状維持を考えてしまうのではないでしょうか。しかしあなたがもし本気でこれからも薬剤師として働くのであれば環境を変える事は絶対に避けられません。
そんなあなたがやるべき事は2つの選択肢を選ぶ方法です。
縁のある人の所で働く
まず1つはあなたが縁がある人の下で働くということです。
これはあなたが一度経験した職場(実習や知り合いなど)であったり友人が実習に行った、前に働いていたといったような縁を重視して働き始めるという選択肢です。
あなたは何も知らない職場よりもその職場の情報や雰囲気を知る事ができますし、あなたのことを周りも理解している可能性が高いです。
それに何かしらの縁で繋がっている以上、過度にあなたに対して風当たりが強くなる確率も下がりますので転職先としてはオススメです。少なくともあなたの今の状況を変えるのであれば最もハードルが低い方法になると思います。
薬剤師転職サイトを利用して自分の目で職場を確かめる
そしてもう1つが薬剤師転職サイトを上手く利用する事です。
具体的に言えば
転職先の情報が豊富(処方箋枚数など)
病院薬剤師の求人も多く持つ
なるべく多くの求人を紹介してもらえる
これらの条件が転職サイトに求める必須条件と言えるでしょう。
そしてあなたがもし1社で転職を済ませたいのであれば薬キャリ一択です。
理由は薬キャリは医師を含めた医療系の転職情報を展開している「エムスリーキャリア」が母体にありますので病院とのコネクションが非常に強いというのが1点。
そして調剤薬局においても処方箋枚数であったりその薬局の診療科などの情報に関してまで情報を持っている点が大きいです。これにより暇な薬局を探せる可能性が大幅にアップします。
↑この様な感じで処方箋枚数の情報も得る事ができます。
また薬キャリは転職先の職場の見学の調整なども行ってくれますので、職場内の雰囲気を実際に確かめる事も可能となります。大手ゆえにこれまで多くの転職成功例がありますので、もし仮に私が今すぐ転職を行うならば間違いなく薬キャリを利用します。
余談ですが私も初めて転職サイトを使った時に薬キャリを利用し、転職先の職場を沢山紹介してもらいました。当時は休みや給料において結構無理な条件を出して求人を紹介してもらいましたが、希望にあった求人を逐一紹介してもらえる事ができました。もしあなたが転職サイトを1度も使った事がない場合には絶対にオススメしたい転職サイトと言えます。
今のまま自分を変える事無く「仕方がない」と毎日を我慢して薬剤師としての仕事を苦痛でしかないと考えてしまう事があなたにとって最も危険な事です。
もちろんまだ働いている状態でも転職活動する事は全く問題ありません。もし本気でコミュ障の自分を変えたいと考える人はまずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。