薬剤師は昇給が少なく年収は右肩上がりとはいかず、将来的な年収において希望を持てないのが現状です。おまけに薬剤師業界を取り巻く環境は年々厳しくなっており、これから先給料が下がる事はあっても跳ね上がる事は難しいでしょう。
そんな時に薬剤師も「副業」を考え始める人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は薬剤師の副業について考えていきたいと思います。目標としては年収にプラス80万円を設定します。
もし副業を考えている薬剤師の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
薬剤師の副業は薬剤師以外は結構大変
ブログやライターで稼ぐには時間がかかる
薬剤師の方でブログやライターで稼いでいる人もいますが基本的には稼ぐことはできません。
もしあなたが本業が終わって毎日1~2時間分筆活動ができるのであればライターの方はまだ希望がありますが、これがブログの場合毎日1~2時間の作業にプラスして毎日継続する努力が必要になります。
そもそも世間的には「副業=ブログ」と言うのは一般的になりつつあります。と言うのもブログは非常に簡単に始められる副業だからです。そしてその分競争率も高まり個人での収益を上げるには今からは相当厳しい戦いになります。
また2017年のグーグルアップデートにより薬剤師が薬に関するブログをあげても検索にヒットしずらくなり、ブログで稼ぐ難易度は他のジャンルも含めてトップレベルの難しさになっています。
またライターも非常に簡単に始められる副業ですが、こちらも1文字0.1~1円程度の所も少ないため、副業として片手間に行うのはあまり現実的ではありません。
そして何より薬剤師は薬剤師として働く方が非常に簡単に稼げます。
薬剤師は薬剤師として副業するのがコスパが良い
では今回の副業やダブルワークの目標としてどうして80万円なのかと言いますと、年間80万円と言う金額は無理しない範囲で最も現実的な金額だからです。
例えばいくらお金を稼ぎたいとしても身体を壊したり本業に支障が出てしまっては本末転倒です。あくまでもメインの仕事ありきで無理のない範囲で効率よくお金を稼ぐかを考える必要があります。そんな時に年間80万円と言う金額、毎月にすると約7万円弱と言うのが現実的になってきます。
例えば週に3回、1回2時間程度の副業を行ったとしましょう。時給は3000円とします。
1カ月:3000円×2時間×3日×4週=72000円
1年間:72000円×12カ月=864000円
となり年間86.4万円がプラスされます。
週に3回の2時間ならばそこまで負担は大きくありませんし、逆に週2回の3時間でも構いません。もしくは休みの日に6時間働くのもアリでしょう。
そう考えると今の本業にプラスして80万円稼ぐというのは、日常生活への負担を最低限に抑えながらの生活になりかなり現実的な金額になってきます。これを「休みの日はみっちり8時間!」とやってしまうと、休みの日も仕事をする羽目になってしまうためあまりおすすめはしません。
またやはり求人の多さを考えると調剤薬局でのバイトがベストと言えるでしょう。病院での短時間でのバイトはどちらかと言えば午前中か夜がメインになってしまうためです。ドラッグストアは選択肢が狭まってしまうため基本は調剤薬局での副業を目指しましょう。
実際に働いてみると週3回の2時間でも相当大変です。なぜなら単純に2時間労働でも移動時間や準備の時間を考えるとトータルでプラス1時間位は要してしまいます。そしてそのモチベーションを持続するためのエネルギーも消費してしまいます。
薬剤師として副業する事で勉強になる
薬剤師が仕事に慣れる事での欠点の1つとして悪い意味で慣れてしまうことが挙げられます。
同じ職場で似た様な処方箋ばかりを扱っていると知識が深まると同時に下手に効率的な仕事を行ってしまいます。しかしそれは半ば仕方がない事かもしれません。
ただもし副業として他の職場で働くのであれば自分がこれまで得る事がなかったスキルを確実に身に付ける事ができますし、新たな発見を探しだす事も可能です。
もしあなたが今の職場を離れて転職する際にも必ず有利になるでしょう。
薬剤師が副業禁止の職場でもバレずに副業する方法
もし就業規則に副業禁止と書かれてあったり、そもそも副業に関してまったく触れていない職場に勤めている薬剤師が副業を行う際にバレずに副業を行う方法を紹介します。
就業規則の確認を行う
昨今では副業解禁のニュースがあちらこちらで叫ばれるようになりましたが、薬剤師の環境はどちらかと言えば後進的です。おそらく副業を全面的に肯定している企業はかなり少数派でしょう
もし副業が暗黙の了解としてまかり通っているならば良いですが、副業をしてること自体が見つかったら即レッドカードとなる様な職場で副業を行うのはリスクが大きすぎます。
ただし明確に「副業を禁止する」と就業規則に記載していなければほぼ問題ありません。また仮に就業規則に副業禁止と記載されていても法的に違反とするのは難しいです。
もちろんあなたが近くのライバル薬局に副業に行って、本業の職場に著しい損失を与えたり、明らかに本業に支障をきたしている場合などは就業規則によって最悪解雇になる可能性もあります。
しかしレッドカードまではいかないまでもペナルティを課せられる可能性もある事を考えると就業規則の確認は必須になります。
住民税の申告を行う
あなたの副業がバレる1番可能性が高いものが住民税です。
と言うのも自分で住民税の申告を行わないと、そのまま副業して増えた分の住民税が会社に通知されてしまうからです。
ただしこれに関しては確定申告の時に注意すれば問題ありません。
具体的には確定申告の書類において「住民税に関する事項」にある「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」の項を「給与から天引き」ではなく「自分で納付にしておく」に〇をすればOKになります。
ただし『普通徴収』として認められず、『特別徴収』として判断される場合もあるため絶対とは言えません。もしどうしても不安であるならば雑所得として確定申告で処理したり、もし会社に確定申告した旨を問われた場合にはふるさと納税を行ったとするのがベターです。
管理薬剤師は副業できないため転職するしかない
薬局で管理薬剤師として働いている人は学校薬剤師などを除いて副業として薬剤師を行うことは薬機法で規制されています。
ですからもし薬局で管理薬剤師として働いている人が副業を行う場合には転職する必要があります。ただブログなどの勤務せずの副業ならば可能になりますので管理薬剤師の方は転職するかブログなどの薬剤師として働かない副業を行うようにしましょう。
薬剤師が良い副業を見つけて年収を上げる方法
では具体的に薬剤師が副業を探す方法を紹介します。
知り合いに紹介してもらう
堅実な副業の探し方として知り合いの薬剤師や薬剤師会の人に副業を紹介してしまう手段があります。
そもそも副業に向いている短時間の勤務は薬剤師転職サイトやハローワーク求人に載せる事自体が難しいです。そのため知り合いを紹介してくれると言った地元のネットワークが活躍する場合があります。
薬剤師が必要な個人薬局が大々的に人を雇って安定して雇うのではなく「短時間だけアルバイト薬剤師に来て欲しい」という場合はそもそも求人自体が出せない事も少なくありません。そこで人脈を駆使してアルバイトとして雇ってくれる人を紹介してもらうのは地味ですが堅実な方法になります。
また知り合いとは若干異なりますが自分の生活圏内のドラッグストアを探して、そこで薬剤師の募集をかけている企業に連絡を取る方法もあります。
副業の募集が多い薬剤師転職サイトを利用する
最も王道の副業の見つけ方は薬剤師転職サイトを利用する方法です。
薬剤師の転職サイトと聞くとパート・正社員・派遣などの働き方をメインに考える人も多いと思いますが、超短時間での勤務の募集も行っている転職サイトがあります。と言うよりもどの薬剤師転職サイトも大なり小なり副業に適している求人を紹介可能です。
ただ中でもダントツでおすすめなのが「ファルマスタッフ」です。
ファルマスタッフは他の大手薬剤師転職サイトと比較しても副業可能な求人が頭一つ抜けて多いです。例えば「夜間のみ求人」「Wワーク可」などの検索機能があるのがファルマスタッフの強みで、あの大手サイトのエムスリーキャリアと比べても副業に適している調剤薬局や夕方以降の調剤併設ドラッグスとの求人数は圧倒的にファルマスタッフの方が多いです。
ですからもし副業を手っ取り早く探したいのであればファルマスタッフに働ける時間帯と曜日を告げてもし求人があれば紹介してもらうというのが最もスマートなやり方になるでしょう。薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
薬剤師以外の副業を探す
副業する内容を薬剤師にこだわらなければ、今は人手不足の時代ですから色んな副業を探す事が可能です。例えば塾講師や引っ越しや家電量販店の販売員など、薬剤師のスキルに直結しないアルバイトを行う事もできます。
ただし薬剤師以外の副業を行うデメリットとしてはやはり時給の相場が薬剤師と比べて安いということになります。
ですから薬剤師以外の副業をメインに行いたい場合は、あなたのやりたい事や興味があることを主軸において働くことをおすすめします。単純にお金目的であるならば薬剤師での副業をするに越したことはありません。
副業せずに済む環境を変える
本業があり副業を行うのが通常の考えですが、そもそもその本業を変えることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ある程度同じ職場で働き続けて仕事内容も頭にバッチリ入っている薬剤師だとしても、他の職場で副業を行う事はそれなりにハードルは高いです。しかしそもそも高い給料が欲しいのであれば給料の高い職場に転職するのが最も手っ取り早いケースもあります。
もしくは残業代がしっかり出る職場で働く。
もちろん残業を自分の意思で調整できる薬剤師の職場はかなり少ないと思いますが、残業代が発生するのであれば他の職場に副業に行くよりも本業を本気で取り組んだ方が移動時間もかかりませんし効率がいいでしょう。
つまり副業を行うのであれば今の環境を変えるか否かについても一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
薬剤師が副業で簡単に稼げると思ってはいけない
経験を積むためには薬剤師は副業よりダブルワーク
「お金はそこまで重要じゃない」「薬剤師としての見聞を広げたい」と、お金目的ではなく経験を積むために副業を考える薬剤師も少なくありません。もちろんその考えもアリだと思いますがもし本気で色んな経験を積みたいのであれば副業ではなくダブルワークの方が良いでしょう。
上でも紹介しましたが副業とダブルワークの違いは「かける時間の割合」となりますので、2つの職場を持つ場合は2つの職場に同じ時間を割くことになります。すると単に副業として働く時間よりも1つの仕事に多くの時間を費やす事が可能となり、より短い期間で多くの経験が可能となります。また派遣薬剤師として働けば時給もかなり高いため給料面でも満足するはずです。
本業も副業も同じ責任がある
これからの時代薬剤師が副業を行うケースはかなり増えてくると思います。
特に薬学部時代に奨学金を借りていた方などは奨学金の返済のために副業をしてそのお金を返済に充てる人も多くなってくるでしょう。また意識を高く持って勉強するために色んな職場を体験しておきたいという勉強熱心な薬剤師もいると思います。
そんな薬剤師が副業をする上で忘れてはいけない事がたとえメインでなくサブの仕事でも薬剤師として働く以上、薬剤師としての役割をしっかり担う必要があるということです。
つまり単に「お金が稼げればいいや」と言う気持ちで仕事を疎かにしてしまうと悪い意味で要領の良い薬剤師になってしまうからです。相手は医療に詳しくない素人だからと言ってその場をしのげればいいと要領の良い立ち回り方をいったん身に付けてしまうと、いつか必ず薬剤師としての信用を失う時がやってきます。
これはもちろん副業をする・しないに限りませんし、逆に色んな職場で働くことで一緒に働く人により大きな影響を受ける場合もあることでしょう。
しかしあなたの意識が「副業だから」と言う軽い気持ちでいるのであれば即刻改めて、副業だからと考えずに同じ薬剤師の仕事として真剣に向き合うようにしましょう。
そもそも低年収なら転職する
「本業の給料が心もとないから副業をする」 と言うのは副業の形としてアリですが「本業だけでは全然足りない」「借りた奨学金を返す目途が立たない」等といった場合にははっきり言って副業をする前に転職した方が賢明です。
そもそも薬剤師はいくらでも転職できる環境になりますので、本業を安い給料で我慢してまで副業で補うメリットは乏しいと言えるでしょう。
例えば年収300万円台の給料で副業を頑張っても年収が4~500万円になるだけです。それならば初めから年収が500万円のところに転職した方が遥かに効率がいいです。