薬剤師が辞めたいパターン

かかりつけ薬剤師はやりたくない!反対派のための究極の2つの選択肢

 

2016年からスタートしたかかりつけ薬剤師制度。

薬剤師の中でも賛否両論あるこの制度ですが、点数が高いためかかりつけ薬剤師の同意をノルマとされている薬剤師も少なくありません。

もしあなたがかかりつけ薬剤師の同意に積極的な立場であるならばいいですが、そもそもかかりつけ薬剤師に対して疑問的な場合、この葛藤に悩まされてしまいますよね。

 

そこで今回はかかりつけ薬剤師をやめたい、かかりつけ薬剤師になりたくない人の悩みを見て行きたいと思います。

かかりつけ薬剤師のノルマはおかしい。かかりつけ薬剤師になりたくない。かかりつけ薬剤師をやめたい。

こんな悩みを抱えている方はぜひ参考にしてみてください。

 

かかりつけ薬剤師をやりたくない薬剤師K

【年齢】27歳
【職場】薬局
【年収】500万円
【休み】普通
【人間関係】問題なし
【備考】薬局で働いて4年目

薬剤師K
薬剤師K

薬剤師4年目に突入。

薬学部を卒業してから大手調剤薬局に就職し、ずっと同じ所で働いている。

自分が勤める勤務先は他にも薬剤師が2名いるため、特に役職的なものもなくごく普通の一般薬剤師業務を行っている。

しかし最近になって困ったことが起きている。

それはかかりつけ薬剤師指導料の算定が給料に影響する点だ。

おまけに自分の会社はかかりつけ薬剤師指導料の算定にかなり力をいれており、ボーナスの査定にも影響するらしい。

自分の職場はそこまでひどくはないが、他の店舗ではボーナスへの影響を危惧して半ば強制的にほぼ全員の患者に同意をもらうようにしている所もあるらしい。

しかし自分としてはこの方針に賛同できないためはっきり言って困惑している。

ただボーナスを減らされるのだけは困るのだがかかりつけ薬剤師をやめたい

 

かかりつけ薬剤師に反対する理由5選

かかりつけ薬剤師の点数が高すぎる

2016年度の診療報酬改定から突如現れたかかりつけ薬剤師指導料の算定ですが、薬剤服用歴管理指導料の50点が20点以上も大幅にアップする事を受けて多くの調剤薬局ではこのかかりつけ薬剤師指導料の同意を求めることになりました。

そして点数を大幅に与えるということはその制度に重きを置くことであり

・ 副作用や効果の継続的な確認

・多剤、重複投薬や相互作用の防止

などこれからの薬局のビジョンとしても必要不可欠なものになります。

「患者のための薬局ビジョン」 ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~

 

しかし現状を見てもわかる通り、かかりつけ薬剤師制度は絵に描いた餅。とても厚労省が期待している様な成果は上がっておらず、単に高い加算を取るための道具として乱用されている場面も少なくありません。

 

24時間365日対応を求められる

かかりつけ薬剤師になる24時間・365日の対応を求められます

薬局での対応はもちろんの事、夜間・休日には個人での電話対応が必要です。また勤務状況も提示しなくてはなりません。

このご時世、医師ですら働き方改革が叫ばれているのに時代に逆行しているかかりつけ薬剤師はどう考えてもおかしいです。

 

かかりつけ薬剤師がノルマになり給料に反映される

かかりつけ薬剤師の本分としては「薬の一元管理が必要な人に一人の薬剤師が継続的な管理を行う事で安心して薬を使用してもらう」と言った目的があります。

しかし点数の高さにつられた経営者がかかりつけ薬剤師にノルマを課してボーナスや昇進の査定と結び付けた結果、本来必要でない方にまでかかりつけ薬剤師を算定する事態も起きています。

するとかかりつけ薬剤師の制度に納得がいかなくても自分の評価を気にして葛藤している薬剤師の方も多いのではないでしょうか。

 

かかりつけ薬剤師の声かけをして同意を貰うのが苦痛

ただでさえコミュニケーションが苦手な薬剤師の場合、同意書が必要なかかりつけ薬剤師のための声かけはかなり荷が重い仕事だと思います。

おまけに点数が高くなるという事は患者負担額も増えるという事になりますから、これまで行ってきた仕事に加えて大した付加価値がないかかりつけ薬剤師の算定に心から同意を求める事に苦痛を感じる薬剤師もいます。

 

かかりつけ薬剤師の不要な算定が問題視されるリスクがある

2017年の1月に偽薬のハーボニーを現金問屋から仕入れ、それに気づかず患者に投薬してしまった事件が起きました。その時に取られた行政処分は5日間の営業停止と管理薬剤師の変更でした。

実際に世間を賑わせた事件の割には軽い行政処分の印象を受けますが、実際の管理薬剤師はその後どうなったでしょうか

別の店舗で管理薬剤師になることは今後可能なのでしょうか。企業内での自主的なペナルティはゼロだったのでしょうか。

 

結果的に薬局ではその母体となる企業だけでなく当事者の薬剤師も処分を受けることが確定になりました。

 

すると仮にかかりつけ薬剤師の算定の際に無差別に算定を行っていることが問題視された場合、現場の薬剤師が処分を受けない可能性は本当にゼロと言えるでしょうか

おそらくそれなりの責任を負う必要が出てきます。

あなたがかかりつけ薬剤師の算定数がボーナスに査定される事や何らかの影響がある事を知った上で行うのであれば、例え嫌々同意を求めていたとしてもそれは同罪です。

 

かかりつけ薬剤師をやめたい人が選ぶ道は2つ

薬剤師と言えどもただのサラリーマンである以上、会社の方針に従う必要があります。

仮に従わないとすればそれによる弊害を受け入れる覚悟も当然必要になるでしょう。

 

しかし薬剤師はサラリーマンである以上に医療を提供する医療従事者。明らかに算定が不要と思われるかかりつけ薬剤師の同意を得るのは、現場の薬剤師として納得できないのもまた必然と言えます。

そして同時に「かかりつけ薬剤師に反対するからと言って退職する事のものなのか」と悩む人も多いと思います。

では悩んだ時にどうすればいいのか?これははっきり言えばズバリ2つの選択肢しかありません。

 

本当に必要な人にだけかかりつけ薬剤師の同意を貰う

あなたは「かかりつけ薬剤師をやめる」か「だまって従うか」の2択と思われるかもしれませんが「自分が本当に必要な人にだけかかりつけ薬剤師の同意を求める」という選択も当然あって然るべきです。

既にかかりつけ薬剤師が評価の対象になっている職場ならば、おそらく完全にかかりつけ薬剤師の算定を取らないというのは通らないと思います。

 

ですから今あなたがやるべき事は自分の良心の範囲でかかりつけ薬剤師の算定を行うことです

かかりつけ薬剤師自体はその本分を考えればあなたが本当に必要だと考える人に対しては真っ当なサービス料と考えて算定を行う事は決して悪い事ではありません。

 

薬剤師業務以外の面で悩む時は辞める

もしあなたがかかりつけ薬剤師を行う上で本来やるべきである薬剤師業務以上に負担を感じるのであれば、辞めることを推奨します。

例えば上でも紹介しましたがかかりつけ薬剤師のノルマが達成できないために給料が明らかに異なる場合や家に帰ってまで24時間対応を行う事が苦痛であると言う場合、また声をかけて同意を貰う事が苦痛で仕方ない場合などは今の職場を辞めて退職した方があなたのためになると思います。

 

あなたが薬剤師として最も重視すべき事はかかりつけ薬剤師の算定に疲弊することではありません。薬剤師として薬を介して患者のために貢献する事が最も大切なことです。

 

ただ「かかりつけ薬剤師が理由で辞めてもいいものなのか」と思うかもしれませんが、考え方が間違えています。

これはかかりつけ薬剤師云々ではなく「あなたは薬剤師として何を重視するのか」を再確認する、ある意味一番大切な部分でもあることになります。

 

あなたはこれから先も一人の薬剤師として納得できない選択をいくつも迫られることは必至だからです。つまりあなたは今後も理不尽な選択肢を迫られる場面が必ず出てきます。

そして全てあなたの「正義」で突き通せることは正直言って難しいと思います。

あなたはその納得できない選択肢の中から自分が許せるもの、許せるラインを越えていないものの線引きを行う必要がでてきます。

そして今回で言えばかかりつけ薬剤師の算定が本当にあなたの許せないボーダーラインを超えていないか否かを今一度判断してみてください。