パートは女性薬剤師がなるもので男性薬剤師のパートは少数派のイメージが強いと思います。
実際に調剤薬局に勤めている女性のパート薬剤師は約43%にも上るのに対して男性パート薬剤師は約12%しかいません。ちなみに病院薬剤師に至っては男性は3.5%です。想像通りの少なさです。薬局・医療施設の薬剤師(常勤・非常勤別)
それにパートである理由は大半が子育てや介護などの理由が先にあってのパートだと思いますので、もし理由がないパート薬剤師の人はさらに少数派になるのではないでしょうか。
しかし男性でも育児や介護以外の理由でパート薬剤師を選択する事は決して悪い事ではありません。むしろ自分の時間を最重要視する人はベストな選択だと思います。ただそうは言ってもやはり肩身が狭い思いをする人も多いですよね。
ただ男性薬剤師がパートで働く事はおかしい事で全くありません。
そこで今回は男性薬剤師のパート勤務について考えていきたいと思います。
パートとして働く事に周りの目を気にしてしまう人
男性パート薬剤師として働く事に対して心理的ハードルを少しでも下げたい人
これらの人はぜひ参考にしてみてください。
目次
男性薬剤師がパートで働く事の不安は3つ
男性薬剤師がパートであることの不安は以下の3つが大きな原因です。
・世間体が気になる
・他のスタッフの目線が気になる
・不安定さに不安を感じる
世間一般的にパートは育児や介護中の女性の働き方とされている中で男性薬剤師がパートだと「どうして男性なのにパート薬剤師なの?」と思われる事を気にする人も多いです。家族や友人や交際相手に「パートとして働いている」と言って理解されない人もいることでしょう。
場合によっては「男のくせにパートなんて」「楽をしてはいけない」と頭ごなしに否定される可能性もあります。
またそれは同じ職場のスタッフに対しても引け目を感じる事が当然出てくるでしょう。特に人手不足でカツカツの職場であったり、他の職員が全員正社員である場合だとより一層パートへの視線は厳しく感じると思います。
そして最も不安視されるのが不安定だという事です。
パートは正社員と同程度の給料を貰う事はできません。現在正社員である人は収入面での不安を感じる事もあります。そして周りの人からも「パートでやっていけるの?」「正社員で働けなかったの?」と過度な心配をされる事もあるでしょう。
つまるところ男性のパートはイメージが何かに付けて悪いんです。
そしてこれは何も薬剤師に限った話しではありません。世間的に「パート」「派遣社員」は肩身の狭い思いをするのがまだ「普通」なんです。
しかしこのイメージに翻弄される必要はありません。その理由を解説していきます。
パートで働く男性薬剤師の不安解消はお金が第一
そもそもどうして男性のパートが否定されるのかと言えば「不安定である事」が懸念されるからです。そしてその不安定をひも解くと結局のところ「収入が低い」と言うことに他なりません。
つまり逆を言えばあなたが世間一般的な収入を得る事ができるのであればたとえパートだとしてあなたに文句を言う人はいません。ですから世間体を気にする人は年収でカバーしましょう。
そしてここでの「世間一般的な収入」とは「1人で自立できるだけの給料」を稼ぐことができれば誰からも責められる義理はありません。
例えば正社員で月の給料が20万円だと薬剤師としては若干少なめな金額かもしれませんが世間体的には十分です。この時代に月に20万円稼いで文句を言う人は現実をよく知らない人です。※ちなみに大卒の初任給が約20万円とされています。
では月に20万円は薬剤師ならばどれくらいの労働時間で稼ぐことができるのか。
仮に時給2500円と考えた場合に月に20万円ならば80時間の労働時間です。ざっくり週に換算すると週20時間労働となります。となると週休4日でクリアできる労働時間です。それに薬剤師の給料はピンキリなので月20万円ならば下手すると正社員の薬剤師と同じ位の金額を稼ぐ場合もあります。
そうなると給料も大卒の初任給程度は貰えて正社員薬剤師と同程度の給料を貰う事もある以上果たして正社員とパートの区別が本当に必要でしょうか。
そもそも世の中の大半の人があなたの働き方がパートか正社員かなんて気にもしません。それにあなたがまっとうな仕事をしている限り誰からも責められる義理もありません。
他人の評価も無視すべきですし余計な心配もされる必要はありません。そもそもパートであなたの心配をする人は本当にあなたを心配して言っているのでしょうか。
一般的にパートであったり派遣と聞くと反射的に良くないと考える人が一定数存在しますが、時給も業種によって様々で個人のライフスタイルも多様性です。そんな中正社員がよくてパートがダメなんて意味のない議論です。
それにあなたは安定の代名詞ともいえる薬剤師免許を持っています。
薬剤師の場合は一般企業の様に昇進が大切な職業ではありませんし、実質やる事は変わりません。一般的な企業だと非正規雇用から首を切られる事が多いですが今の所薬剤師は人手不足のため人員カットの対象になる可能性は低いです。
ですからあなたは世間体を気にして引け目を感じるのではなく、あえてパートと言う働き方を選択している事を強く主張すべきなんです。
男性薬剤師がパートで働くための不安を感じる必要はない
ただしどんなに世間体を気にしなくても良いと言っても気になるのが職場です。
・そもそも男性パート薬剤師として雇ってくれるのか
・パートして働くには理由が必要なのでは
・同僚から冷たい目で見られるのではないか
これらの不安が離れないと思います。ただこれらの不安を感じる必要はありません。
パート薬剤師に男性も女性も区別なし
まず理由もなくパート薬剤師の求人があるのかと言う不安ですが、こちらは大した問題ではありません。
その根拠として上でも紹介しましたが今現在調剤薬局で働く女性の4割は非正規社員です。つまり薬局薬剤師の4割はパートとしての働き方を行っている事になります。つまりこれだけの非正規社員の雇用がある現状でパートしての求人がないとは現実的に考えられません。
「でもそれは女性薬剤師の話しで男性薬剤師は違うのでは?」
と思う人もいるかもしれませんがその心配も不要です。現状人手不足の薬剤師業界において女性・男性と区別して雇う職場はかなり少ないです。
もちろん地域や職場内容によって男性薬剤師向け・女性薬剤師向けの求人も確かに存在します。ただ基本的に性別による有利不利はありませんし、男性パート薬剤師はNGとする職場はかなりの少数派です。
それに極端な事を言えば理由なく「男性だから」と性別で差別する職場ならば逆に採用してもらわなくて良かったと考えた方が無難です。その様な職場ならば遅かれ早かれあなたは肩身の狭い思いをすることでしょう。
同僚の目線は最初だけ
同僚の薬剤師は事務の人から「どうして理由もなくパートなのか」と冷ややかな目で見られる場合もあるかもしれません。しかしこれは初めの数日だけです。これをずっと引っ張る人がいるとしたらあなたのパート勤務に問題があるのではなく間違いなく相手の人間性に問題があります。
ただ忙し過ぎる職場だとあなたへのあたりが強くなる可能性が高まりますので要注意です。
男性薬剤師がパートで働くために選ぶべき薬局の2つの条件
もしあなたがパートで働く事を考えているのであれば以下の2つの事を重視して職場を探してください。
●短時間勤務でも受け入れて貰いやすい職場
●忙し過ぎない職場
この条件を満たした職場で働く事が必須になってきます。
初めから短時間労働で働くこと前提の職場で働く
まず短時間労働で働く事が前提であれば仮にあなたがパートでもまず問題になる事はありません。これが逆に正社員を募集しているのにあなたがパートで入るとかなりの確率で批難されます。
では具体的に短時間勤務が前提である職場とはどんな職場があるのかと言いますと代表的なものに派遣薬剤師が挙げられます。
派遣薬剤師は短時間勤務が前提であり最もスマートに誰もが了解の上でパート勤務できる働き方になります。おまけに時給も通常のパート勤務よりも高めであり社会保険の加入も短時間勤務で可能な所も多いため大変おすすめです。
上で月20万円をかせぐために週休4日の働き方が可能と言いましたが、さらに休む事も可能になります。
また経営者が現場の管理者で薬剤師をパートでも良いので欲している職場です。現状では正社員で募集していても働きたい薬剤師が不足している状態ですので、仮にパート薬剤師でも歓迎してくれる可能性は非常に高いです。
慢性的に忙しい職場を避ける方法
そもそも慢性的に忙しい職場を避けるためにはどうすればいいのかと言う話しですが、これはあなた自身の目で確認する以上の方法はありません。ですからあなたは絶対に見学をさせて貰ってください。
そして見学のコツは1週間の中で一番忙しい時間の見学を行うという事です。
あなたがパートとして働く事になればおそらく最も忙しい時間帯で働く可能性が高いため、どれだけハードなのかを身をもって体感する事ができます。
かなりバタバタして職場内の雰囲気がピリピリしていたらやめた方がいい可能性が高まりますので、絶対に見学をするようにしてください。
ではこれらを踏まえて男性パート薬剤師が働きやすい職場を探すためには薬剤師転職サイトを利用する事が必須になりますが、そんな時は数ある転職サイトの中から無料で利用できる薬キャリを推奨します。
薬キャリを推奨する理由としては薬キャリは「正社員の募集のみ」からでもそこからパート薬剤師への募集を開拓してくれるのがまず挙げられます。
はっきり言ってパート薬剤師の募集は決して多いとは言えません。
例えば東京の薬局薬剤師の正社員のパート薬剤師の求人数は約1600件です。ただこれがパートになると約100件しかありません。比率は16:1です。どう考えても世の中の現状と合致していませんよね。つまり公表されていないパート薬剤師求人は開拓する必要があるという事です。
そして薬キャリはそんな正社員の募集からパート薬剤師への交渉を代わりに行ってくれます。これは大手のノウハウあってこそのスキルになりますので、オリジナルのパート求人を開拓するにはベストになります。
そして薬キャリのもう1つの利点としては派遣薬剤師を扱っている点です。
薬剤師転職サイトは数多くありますが実は派遣薬剤師を扱っている転職サイトはごすわずかになります。他にもファルマスタッフなどもありますが求人数全体を見た時に有利なのが薬キャリになります。
ネット上には5つも6つも薬剤師転職サイトを利用しましょうと情報が飛び交っていますがその必要はなく多く登録しても時間と労力の無駄です。もしあなたがパート薬剤師を希望しているならば確実に信頼できる転職サイトを利用しましょう。
男性薬剤師がパートで働くために面接で採用してもらう方法
ただそれでも不安が解消されない人は多いと思います。特に採用時の面接に関してはプレッシャーを感じるのではないでしょうか。そんな時にあなたの不安を解消するためにできる事があります。
それは面接の時に「長期間働く意思がある」事を告げることです。
と言うのも雇う側の一番の不安は「せっかく採用してもすぐに辞めるのでは?」という不安です。特に理由もなくパートで働く事を希望する男性薬剤師に対して身構えてしまうのはある種当然のことだと思います。
ただ逆を言えばあなたが長期間しっかり働く意思を見せる事は経営者の不安を解消することができます。
雇う側からすれば性格上問題がある人は極力雇いたくないのが本音です。そしてそれと同じくらい困るのがすぐ辞める人。雇う際にもコストがかかりますし、仮に辞めれた場合には再び採用するためのコストがかかります。そんな時に長期で働く意思を面接で主張してもらえれば雇う側としても安心です。
そもそも面接の段階であなたがパート希望である事は承知のはずです。ですから初めからパートがNGと言うことはなく、あとは「あなたがどういう人物なのか」が気になるだけになりますので必ず長期で働く意思がある事を(仮に長期で働かなくても)伝えるようにしてください。
これからの時代に男性パート薬剤師で働くということ
これからの時代においてパート男性薬剤師は絶対に増えてくると思いますし、その働き方を否定する人がいても気にする必要はありませんし、いずれ否定される事も無くなってくると思います。そして上で紹介した対策を取ればあなたがパート薬剤師としても不安になる必要はありません。
しかしどれだけ対策を取ってもあなたがパート薬剤師である事に対して否定される瞬間はおそらくやってくるでしょう。100%完全に不安を解消する事は難しいと思います。ただそういった不安をある程度理解しているのといないのでは心理的な負担もかなり軽減されますし、対策を取る事でその負担は最小限に抑える事ができます。
男性薬剤師がパートで働く事は圧倒的少数派です。しかし少数派でも今の正社員の働き方に疑問を持っている人や、やりたい事がある人にとっては薬剤師免許を上手く活用した働き方だと思います。
仮にパート薬剤師が合わないと思ったならば再び正社員に戻ればいいだけの話しなのでパート薬剤師として働いてみることはあなたの長い薬剤師人生においてきっといい経験になるでしょう。ぜひ一度パート薬剤師という働き方を選択してみてはいかがでしょうか。