薬剤師が辞めたいパターン

【薬剤師のパワハラ】悩んでツライ時に考える4つのこと

 

2019年5月29日、参議院本会議で「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決され、パワーハラスメントに関する規定が行われました。

 

しかし薬剤師の職場は比較的「狭い」「小規模」な職場であるため、一般企業の様なパワハラに対する制度が整っていない所も多いのが事実です。

ただ薬剤師の中でもパワハラで死ぬほど辛い思いをしている人もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は薬剤師とパワハラについて考えていきたいと思います。

パワハラの境界線は一体どこからなのか?

薬剤師がパワハラ受けた時はどこに相談すればいいのか?

薬剤師はパワハラ相手を訴えることはできるのか?

パワハラのない職場に転職するにはどうすればいいのか?

これらの悩みを抱えている薬剤師はぜひ参考にしてみてください。

 

薬剤師が受けるパワハラの定義や具体例

パワハラと一口に言ってもどこからどこまでがパワハラに該当するのか迷う人もいるかと思います。

例えばあなたはひどく傷つくことを言われたとしても、「あなたのためを思って」と言われてしまえばそれまでの場合もあるでしょう。また世間一般的に「その程度はパワハラとは言えないよ」と言われてしまえばあなたがどれだけ心に傷を負っても諦めるしかないのかと考えてしまうかもしれません。

ではここでは具体的にパワハラの定義や例を簡単に紹介します。

 

パワハラの概念としては以下のいずれも満たすものをパワハラの概念としています。

・優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
・業務の適正な範囲を超えて行われること
・身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
引用:パワーハラスメントの定義について:厚生労働省

 

そしてパワハラは大きく6つに分類する事ができますので、これを薬剤師バージョンに当てはめて紹介します。

 

身体的な攻撃:上司の薬剤師が殴打・足蹴りをする

精神的な攻撃:上司の薬剤師が人格否定の発言をする

人間関係からの切り離し:薬剤師業務に関係ない仕事ばかりを与え別室に隔離する

過大な要求:一人だけに過酷な仕事を割り振る

過小な要求:後輩薬剤師を退職させるために誰でも可能な掃除や受付だけを行わせる

個の侵害:プライバシーに立ち入り職場以外でも常に監視する

 

またパワハラは管理薬剤師⇒一般薬剤師と言ったものではなく、例えば転勤によって調剤薬局やドラッグストアの管理者を任される人が、もともといた職員からパワハラを受けるケースも該当します。

 

そして逆にパワハラに該当しないものとしては同僚同士の喧嘩であったり、パワハラを受ける側が常に社会的ルールやマナーを欠いた振る舞いで、それを注意しても改善が見れないため強い注意になってしまう場合社員育成のための短期間の過大な業務を与えるなどは該当しません。

 

パワハラを受けた薬剤師が相談すべき相手は3パターン

もしあなたがパワハラを受けた場合は誰に相談すべきなのでしょうか。

ここでは大きく3つに分けられます。

○内部の人に相談

○外部の相談窓口

○身近な人への相談

 

まず内部の人への相談ですがこれは調剤薬局ならば管理薬剤師や経営者、チェーンの企業ならば内部の相談窓口になります。

 

そして外部の相談窓口としては各都道府県に設置されている労働局の「総合労働相談コーナー」や最寄りの法務局の相談窓口となる「みんなの人権110番」などがあります。

外部の相談窓口に関しては厚生労働省が行っている「あかるい職場応援団」のサイトに網羅されていますのでぜひ参考にしてみてください。⇒あかるい職場応援団

 

そして身近な人への相談としては家族や地元の友人、大学時代の同期などが該当します。

 

ではあなたがパワハラを真っ先に相談すべきなのは内部の人に相談するのがベストです。

理由はあなたの置かれている状況をリアルに理解してくれて、最もスピーディーに解決できるとするならば直接働きかける事が可能である内部の人間への相談の方が話が早いからです。

もしあなたが中小の調剤薬局や病院で働いていて、パワハラを行ってくるのが管理薬剤師や薬剤部長である場合は薬局の経営者や病院の事務長などに相談をしてみてください。

またあなたが受けたパワハラが果たしてパワハラに該当するのか?などの疑問は外部の相談窓口が最もベストでしょう。

 

薬剤師がパワハラで相手を訴えることはおすすめしない

「自分はパワハラ受けているのに相手が何の制裁も受けていないのは納得がいかない」

「パワハラで訴えることはできるのか」

と考える場合にはその相手をパワハラで訴える事は可能です。実際に薬剤師ではありませんがパワハラで訴訟を起こしたケースは多々あります。しかし当然ながら必ず勝訴になるわけではありません。

 

特にパワハラは目に見えない部分も多いため、たとえあなたが暴言を吐かれても相手が「言っていません」と言ってしまえば水掛け論になってしまい裁判でも不利になってしまいます。

例えば実際にこの様な判例があります。

ある知的障害者の施設に勤務していた原告が施設内の問題を知事に投書しました。するとそれに対して上司に逆恨みされ、雇用止めとすることを通告しサインを求められました。結局雇用止めにはなりませんでしたが原告は配置転換をされ今度は別の上司に「今度したら終わりだからな」と言われ、その後も同僚から無視されたり仕事の指示をされなくなったことで裁判を起こした事例になります。引用:あかるい職場応援団

 

一見典型的なパワハラのようですがこの裁判では敗訴しています。

理由としては証拠がない、結果的に雇用止めは撤回されているから等の理由からパワハラとは認定されませんでした。

 

つまりもし訴訟を起こすとするのであればパワハラを認定できる証拠が絶対に必要になります。また裁判を起こすとなると裁判費用や判決までの時間がかかる事も考慮する必要があり、パワハラ相手だけが辞める事になる可能性ははっきり言って高くありません。

ですから相手だけが制裁を受ける結果に終わる事は難しく、あなたが徹底的に戦う気でない限りはやめておくのが無難です。

まずは会社の上司に相談しそれでも改善が見られない場合の最終手段として考えてみましょう。

 

薬剤師が退職すべきパワハラのボーダーライン

薬剤師でパワハラを受けてもそれを理由に仕事を辞めてもいいのか?と不安になる場合も多いと思います。

そこでここでは薬剤師が退職すべきパワハラのボーダーラインを紹介します。

 

小規模の職場でのパワハラ

薬剤師の職場は大企業の所もありますが最も従事者の多い調剤薬局に関しては依然として「中小企業」が大多数になります。職場内の従業員が10人未満の職場も少なくありません。

するとそもそも社内にパワハラに対する相談窓口もなければ相談できる他の職員もいないケースもあるでしょう。

 

この場合はあなたが1人で悩んだり外部に助けを求めても抜本的な解決に繋がる事は難しいです。また内部に助けを求めても狭い人間関係になりますから気まずくなるケースも多々あります。

2019年に薬局でのパワハラで自殺が起きた事件に関しては社長などによるパワハラが原因だったとされています。つまり中小の薬局では経営者があなたの味方にならないケースもあると言う事です。「パワハラで自殺」と提訴、大阪

 

相談しても一向に解決しない

今は薬剤師不足の時代です。ですから仮にあなたがパワハラ相手に辞めて欲しいと思い会社に相談したとしても、会社としては薬剤師が減る自体は避けたいと考える会社も少なくありません。

ですからあなたが会社の上司にパワハラの相談をしても一向に解決する兆しがない場合や、口だけの場合にはこれまた解決する事は困難になります。

 

1年後の今の自分が想像できない

あなたが今の状況が1年後も続いていると想像してみてください。

もし1年後の自分が想像できない場合、考えたくない場合には一刻も早く上司に相談するか辞めるべきです

 

おそらくあなたが行動しない限りパワハラの改善は厳しいでしょう。時間が解決している可能性にかけてはいけません。

ですから1年後の自分が同じパワハラ薬剤師と一緒に仕事をしている事が考えられない場合には遅かれ早かれ辞めることになりますので少しでも早く辞めるに越したことはありません。

 

身体に変化が現れた時

もしパワハラを受けていることで身体が悲鳴をあげてきた場合は要注意です。

あなたは頭では大丈夫と思っていても身体は正直に反応します。ですから何だか最近上手く眠れない、ずっと仕事の事を考えてしまう、身体がずっとだるいなどの症状が起きている場合には一刻も早くパワハラから遠ざかる必要があります。

 

パワハラと無縁の薬剤師の職場の探し方

あなたがパワハラを受けてそれが原因で退職した場合、次の転職先の職場で働くことは相当慎重になると思います。

そして次に転職する職場では絶対にパワハラを受けたくありませんよね。そのような時に転職すべき薬剤師の職場を紹介します。

 

一人薬剤師として働く

一人薬剤師として働く場合にはパワハラを受ける可能性はほぼありません。

なぜならあなたを常に攻撃する人はいないからです。ただし一人薬剤師の職場はよく吟味して探さないと非常にハードなものになってしまうため、違う意味で転職したくなる可能性もあるので注意してください。

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信頼できる薬剤師の職場を探す

あなたがパワハラを受けた職場は何を基準に選びましたか?

おそらく多くのパワハラに悩む薬剤師は「年収」や「休みの多さ」などの薬剤師募集要項から見える情報でしか就職先を決めていないかったのではないでしょうか。

 

しかしパワハラに悩む薬剤師の場合には「あなたが信頼できる薬剤師がいる職場」で働く必要があります。具体的な例を挙げると経営者がプレイヤーである場合などです。

 

ただ本当に信頼できる職場を見つける事は10分かそこらの時間面接するだけ判断する事は難しいです。

ですから必ず働いている現場をのぞかせて貰ってください。もう転職に失敗したくない薬剤師ほど1分でも長く現場の薬剤師と話す時間を設けて、将来的な同僚としてやっていけそうかを判断してみください。

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薬剤師がパワハラがキツイと感じた時にやるべきこと

上ではパワハラを受けたらまずは内部の人間に相談しましょうと言いましたが、その勇気がでない場合はあなたの身近な人に相談してみてください。友人でも家族でも構いません。絶対に一人で悩まないようにしましょう。

 

そしてもしあなたがパワハラを上司に報告しても改善が見られない場合は、言い方を変えれば会社はあなたがパワハラを受ける事を黙認している事になりますので、そのような会社であなたがパワハラを我慢してまで働き続ける必要性は絶対にありません。

 

もしあなたが常勤であるならば毎日8時間は仕事に行ってその間パワハラを受ける事になるでしょう。当然仕事が楽しいと思うはずもなく、毎日が憂鬱で仕方ないと思います。おまけにそのパワハラは期限が決まっているものではありません。

あなたが行動しない限り永久的に続きます。そして途中であなたは壊れてしまうでしょう。

 

ですからパワハラがきついと感じたらだれでも良いので相談し話をしてみてください。

そして薬剤師の職場など山の様にあるわけですから、パワハラ薬剤師がいる職場に固執する必要など微塵もありません。安心して退職を考えてみてください。