薬剤師はどこでも働ける・仕事があるのが大きなメリットです。
特に女性薬剤師にとっては最大の武器となります。
しかし近々結婚を考えている女性薬剤師の中には「今辞めてもいいのか?」と、寿退社をためらう人も少なくありません。特に妊娠・出産の予定がまだない女性薬剤師では顕著に「まだ辞めない方がいいのでは?」と考えがちです。
そこで今回は結婚を機に仕事を辞める事を考えている薬剤師の悩みを見て行きたいと思います。
今の職場を辞めたい気持ちが強い人
近く結婚する予定がある人
寿退社をするとどんなデメリットがあるのか気になる人
これらの薬剤師の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
結婚を機に仕事を辞めたい薬剤師Yさん
【年齢】29歳
【職場】調剤薬局
【年収】500万円
【休み】普通
【人間関係】問題あり
【備考】今年結婚予定
転職経験は過去に1回。薬学部を卒業してからは地元の中小の調剤薬局に勤めていた。
しかし給料面に不満があったために他の個人の調剤薬局に転職した。
給料は以前の薬局よりも多く貰えるようになったが、その個人の薬局は最低限の薬剤師しか在籍しておらず、事務の人が調剤室に入る事もしばしば。仕事はかなりハードな薬局で定時で帰れた記憶はない。
そんな薬局に勤めている中、付き合っている男性と今年結婚する事になった。
個人的にはすぐに仕事を辞めたいのだが、正直妊娠している訳でもなく結婚した後も働き続ける必要があるために寿退社する事に躊躇している。
また医療業界は日進月歩。ブランクがある事でキャリアが途切れる事も不安である。
本音は今の薬局を辞めたいがどうしようか悩んでいる。
女性薬剤師が働きやすい職場・そうでない職場
薬局や病院で働く女性の数はかなり多いです。
そもそも薬剤師自体が女性の方が多く、40歳未満の薬局や医療機関で働いている女性薬剤師の数は約57000人となってます。
そして女性の働きやすい職場として調剤薬局がよく挙げられます。ただし中小の薬局や地方の病院に関しては十分な数の薬剤師を確保する事が出来ずに、常に最低限の人数で業務を回す職場も決して少なくはありません。また大手だとしても薬局内でとても女性の働きやすい職場とは言えない所も多いです。
そういった職場では休みをもらう事を後ろめたく感じてしまい、結果退職の選択肢を余儀なくされる人も少なくないのではないでしょうか。そうなると結婚・出産となっても代わりの薬剤師が在籍しており安心感が高い薬局に就職したいと考える人も多く、近年さらに大手の調剤薬局を就職先に選ぶ薬剤師の方も増えています。
しかしあなたの置かれている現状の職場は人数も少なく、休みも容易に取れる様な職場ではありません。
おまけに出産ではなくあなたは単に結婚になりますので、あくまでも1つの区切りにしかすぎません。
そんな境遇においてあなたは「今仕事を辞めるのはどうなのか?」と自問自答してしまうかもしれませんが、もし今の薬局を去りたいと考えていたのであればこれ以上に良いタイミングはありません。
千載一遇のこのチャンスを見逃すわけにはいきません。
結婚は転職に都合のいいタイミング
なぜ薬剤師にとって結婚が転職に都合のいいタイミングかと言いますと、まず第一に今の環境を合法的に去る事が出来るからです。
おそらくあなたは「転職」というこの2文字にかなりのプレッシャーを感じているのではないでしょうか。
転職回数が増えると次の転職に不利になると考える薬剤師は非常に多いです。しかし薬剤師が不利になる転職というのは「人間的に問題があって転職を繰り返す薬剤師」であり、結婚して辞める寿退社は全く不利になりません。
つまり経歴には一切傷つく事なく、転職のカードを切る事が可能になるんです。
しかも次の職場はあなたのライフワークの中心に「家庭」を置いて職場を探す事が可能となりますので、これ以上ベストのタイミングはありません。
薬剤師が仕事を辞めるきっかけは少ない
人間は嫌な事でもそれが当たり前になってしまうと、むしろその環境から逸脱する事の方に抵抗を示すようになります。
おそらくあなたも今の薬局の職場に不満を抱きつつも、今の職場を辞めることはすごいエネルギーを消費するため、あまり触手が動かないのではないでしょうか。
そして実際に薬剤師が辞めたいと思っていてもなかなか辞めるまでたどり着かないのは「きっかけ」が少ないから。
このきっかけが背中を押してくれない限りあなたはおそらく永遠に今のつらい環境から抜け出せずにいる事でしょう。
そう考えると結婚と言うのはまさに1つの大きなきっかけです。
周りからも攻めれられる事もなく、仮に転職したとしても転職先にネガティブイメージを持たれることもありません。
薬剤師が結婚後に退職すべきでないケース
もしあなたが結婚して辞めたいと思っていたとしても結婚しない方が良いケースがあります。それは妊娠です。どうして妊娠していた場合に退職しない方がいいのかと言いますと、出産・育児休暇が貰えないからです。逆を言えば出産育児休暇を貰うために仕事を続けた方がいいんです。
薬剤師は年収の高めの仕事になりますので、この出産・育児休暇を取得するのと退職するのでは約200万円相当差が付くケースもあります。
ですからもしあなたが結婚して妊娠している状態ならば退職するよりも出産・育児休暇を貰ってから辞めましょう。
ただ妊娠に影響がある程のツライ職場であるならばお金に関係なく即刻辞めることをおすすめします。
結婚してこれまでの生活が変わった場合、2人のライフスタイルを重視していく事はとても大切な事で、おそらく家事もこれまで以上に行う必要性があるでしょうし、あなたが精神的・肉体的に追い詰められては元も子もありません。
「生きるための仕事であるはずなのに、仕事のために多くを犠牲にする」その生き方のアリ・ナシを決めるのはあなたとあなたの家族ですが、現状不満がある職場のためにそこまで貢献する必要性が本当にあるのか一度考え直してみましょう。
薬剤師が結婚を機に退職したけどやっぱり働きたいと思ったら正社員で働く
仮に寿退社した後に別の職場ですぐに働いても全く問題ありません。
あなたの最大の目的は今の職場の合法的な退職です。辞めてからの事は辞めた時に考えればいいんです。結婚式を挙げて職場の人を呼びたくない場合はなおさら早めに退職しましょう。もし辞めるとなってもすぐに辞めれない可能性も高いため、最低でも2~3か月前以上前には辞めることを告げてください。
また仮にあなたが「一旦退職したけどやっぱり働きたい」「ブランクがあると不安」と感じた場合はどうすればいいのかと言う事についても触れたいと思います。
この場合「結婚してすぐ妊娠するかもしれないからパートの方が良いかな」とパート薬剤師を考える人もいるかもしれませんが、基本的にはフルタイム勤務をおすすめします。
理由としては
・パート薬剤師で探すと求人が狭まる
・安定した収入を得られる
・途中でパートに切り替えできる
これらの理由があげられます。
まず薬剤師の求人は確かに多いですが意外とパートに絞っての求人は少なく、正社員の年収は高いのにパートの時給がそこまで高くない場合も多いです。ですから給料を考える場合は正社員で働くことを考えてみましょう。
また仮に正社員として働き始めたとしても交渉次第でパートに切り替える事が可能です。正社員からパートの切り替えが可能か否かは職場次第にはなりますが、薬剤師不足である今の時代ではおそらくパート薬剤師として働ける可能性は非常に高いです。
もしどうしてもパートが希望であるならばパートでも高い時給を探す方法もありますのでこちらも参考にしてみてください。
また「まだ子供もいないのにパートってどういうこと?」と嫌味を言ってくる職場も万に一つあるかもしれません。
そんな時はどうするべきか。
パートだから文句を言う職場は間違いなく異常な職場なのでやるべく早く退職しましょう。